スホーイ
Su-37



Su-27 フランカーから発展したSu-37は、ベクタード・スラスト(可変推力方向)機能を持つ戦闘機である。モスクワ近郊のツコフスキー航空試験場で、Su-35試作機を改良したこのSu-37がT10M-11として初飛行に成功するのは1996年4月のことであった。

フランカーより推力が増した2基のラルカ・サタンAL-37FUエンジンは、ベクトル(推力方向)を上下それぞれ15度まで変えることが出来る。操作はコンピュータで自動的に制御され、パイロットがデータをインプットする必要はいっさいない。コンピュータが作動しなくなった場合は非常装置が働き、ベクトルを水平方向へ戻す。

また、パワーアップされた機首のNIIP NO-11Mパルス・ドップラー・レーダー同様、背後への探知能力も増した。前方に加え、NIIP NO-12レーダーは後方の敵機が発射したミサイルをモニターし、パイロットへ伝える。

ロシアの戦闘機で初めて米軍のF-22 ラプターと比較しうるベクタード・スラスト機能を備えたのがSu-37であり、今後はもっと増えてゆくだろう。現在、計画されているスホーイ S-55のためにラルカが開発した新しいアキシメトリカル(3次元)噴射は、Su-35の単発エンジン版だ。そして、この噴射方式がSuー35のTVC機能へも貢献した。



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