ディズニー・オンラインはここをクリックして下さい
(1996年8月16日)          




スーパーモデル大移動

超売れっ子のシンディー・クロフォードやクリスティー・ターリントンといったスーパーモデルが、ニューヨークのモデル・エージェンシーからハリウッドのエンターテイメント・エージェンシーに鞍替えしたことから、それが新しいトレンドになるのではともっぱらの噂です。有名な“フォード・エージェンシー”から“ユナイテッド・タレント・エージェンシー(UTA)”へ移籍したクリスティーは、女優志願でなく、なんと脚本家としての契約。一方のシンディーは、やはりモデル業界で有数のエージェンシー“エリート”から、今度はクリント・イーストウッドやクエンティン・タランチーノを擁する“ウィリアム・モリス・エージェンシー”へ移籍しましたが、エリート時代に契約したレブロン化粧品との契約ギャラ150万ドルの配分をめぐる訴訟騒動を引き起こし話題になっています。裏切られたエリート側はシンディーのモデル・ブックを返還しない作戦をとるなど醜い争いを繰り広げている一方、中にはモデル業と女優業を共存させている例もあります。オーストラリア出身のエリー・マクピアソンと黒人スーパーモデルのナオミ・キャンベルがそれで、モデルの仕事はスチュワート・キャメロン・オブ・ウーメン事務所が扱い、女優業は大物エージェンシーのICM(インターナショナル・クリエイティブ・マネージメント)が担当しています。





ギャングスター人気

“パルプ・フィクション”でジョン・トラボルタを見事にカムバックさせた鬼才クエンティン・タランティーノ監督が、カムバックした彼を大スターの仲間入りさせた映画“ゲット・ショーティー”の原作者、エルモア・レナードのコミカルなギャング小説「バンディット」、「フリーキー・ディーキー」、「キル・ショット」、「ラム・パンチ」の4作を、製作契約を持つミラマックス・スタジオへ買い占めさせて話題になっています。また、前述の2作品を共同製作し、自らもスター俳優でもあるダニー・デ・ビート("ツインズ")は、“ゲット・ショーティー”の続編の可能性をすでに否定したレナードの、8月に出版されたばかりの最新小説「アウト・オブ・サイト」を、オリジナルの監督が絶賛されたバリー・ソネンフィールドと再び組み、ユニバーサルで映画化する計画です。彼らに負けじとMGMが530万ドルで落札した、これも軽いタッチのギャング・コメディー“トリガー・ハッピー”は、ジェフ・ゴールドブルーム("フライ"、"インディペンデンス・デイ")、ガブリエル・バーン("アンユージュアル・サスペクツ")、リチャード・ドライファス("未知との遭遇")、バート・レイノルズ、そして“スタンド・バイ・ミー”の監督、ロブ・ライナーや歌手のビリー・アイドルまでもキャスティングして、早くもハリウッド映画界を風刺した数年前の名作“プレイヤー”の続編という異名までついています。





コップ・フィーバー

低予算のデビュー作品“ヘビー”で絶賛を浴びた、新人監督脚本家ジェームス・マンゴールドの“コップランド”は、このところヒット作に恵まれなかったシルベスター・スタローンの“パルプ・フィクション”的存在といわれていますが、このミラマックス製作の1、000万ドルの低予算映画、最近になって数人の大スターが出演希望し、大型作品になりつつあります。汚職にまみれた警察官に立ち向かう、難聴のニュージャージー州保安官に扮するスライのほか、彼を助ける署内捜査官役のロバート・デ・ニーロ、主役がスライに決まると脇役に回ったレイ・リオタ("ダンボドロップ大作戦")やダニエル・スターン("ホーム・アローン")全員が、いつもの莫大なギャラの何十分の一の、俳優組合最低サラリーで参加しています。現在ハリウッドでは、アカデミー賞指名の認識を得るため、話題性のある企画にアンサンブル・キャストの一員として出演することがトレンディーになっいて、“パルプ・フィクション”のブルース・ウィルスやジョン・トラボルタの例のごとく、カムバックを狙うスターが今までとは少々違う役柄を冒険して演じるパターンが増えています。その意味では“ブルー・イン・ザ・フェイス”のマイケル・J・フォックスもいい例でしょう。なお最近、“パルプ・フィクション”の名優ハービー・カイテルも、汚職警官の役で“コップランド”出演が決定しました。





スポーツ・ムービー

最近公開されたスポーツ・テーマの映画は、製作スタジオの思惑とは裏腹に失敗作が続いています。ビリー・クリスタル("シティー・スリッカーズ")がNBA(National Basketbal Association/全米バスケットボール協会)のレフリー役を演じるロマンチック・コメディー“彼と彼女の第二章”は売り上げ3、300万ドル、ジャン・クロード・バン・ダム("クエスト")がアイス・ホッケーの試合中に一人でテロリストと対決するアクション作品“サドゥン・デス”が2、000万ドルと、製作予算も回収できない状態。サミュエル・ジャクソン("評決のとき")扮する黒人プロモーターが、白人ボクサーを探し求めるコメディー“グレート・ホワイト・ホープ”と、ダン・アクロイド("ゴースト・バスターズ")とダニエル・スターン("ホーム・アローン")演じる熱狂的なNBAボストン・セルティックスのファンが、敵チームのスター選手を誘拐するドタバタ・コメディー“セルティック・プライド”に至っては、なんと800万ドルというふがいなさ。ウッピー・ゴールドバーグが、これまたNBAニューヨーク・ニックスのコーチ役で主演する、期待された“エディー”も2、500万ドルで頭打ちで、一番収益の多かったのはゴルフ・コメディー“ハッピー・ギルモア”の3、900万ドルという悲惨な結果に終わってしまいました。そんな状況の中で、間もなく公開される“ファン”は、ウェスリー・スナイプス("ライジング・サン")がサンフランシスコ・ジャイアンツのスター外野手に扮し、狂気に満ちたファンのロバート・デ・ニーロにつきまとわれるスリラー。そして、同じく間もなく公開予定のケビン・コスナー主演のゴルフのレッスン・プロの物語“ティン・カップ”と、秋に公開される“マイティー・ダックス3”に期待がかかります。ちなみに、スポーツ映画のチャンピオンは、総収益12、800万ドルを上げた“ロッキー4”です。





フォスター・ガンプ?

“フォレスト・ガンプ”でアカデミー賞を受賞して以来次回作が期待されていたロバート・ゼメキス監督が、創造的意見の食い違いで監督を降りたジョージ・ミラー("マッド・マックス"、"ベイブ")の後を受け継いで、カール・サガンのSFスリラー“コンタクト”を手がけることになりましたが、主演に決定しているジョディー・フォスターは、他作品の出演契約の件でモメごとが多く、頭が痛いようです。というのは、“12モンキーズ”で大ヒットをとばしたデビッド・フィンチャー監督のスリラー“ゲーム”に、4週間の撮影で450万ドルプラス興業収益の歩合制で出演するはずだった彼女ですが、主演のマイケル・ダグラス(51歳)の娘役という役どころが、彼女の年齢(33歳)の関係で妹役に書き替えられてしまい、怒ったフォスターは企画から降板し、5、000万ドルの損害賠償金を求めて、契約違反で製作会社のポリグラムを訴えているからです。1994年のアカデミー賞に“ネル”でノミネートされてから、しばらくスクリーンから遠ざかっていたフォスターが、とても参加したがっていた作品でしたが、製作スタジオにしてみれば、海外で人気のあるマイケル・ダグラスの方が大事というわけなのかもしれません。フォスター降板後、ジェフ・ブリッジズ("スターマン")が弟役でキャスティングされました。なお、“コンタクト”は、“タイム・トゥー・キル”で話題騒然の華々しいデビューを飾ったマシュー・マッコナヒーとの共演作品で、宇宙人と接触する天文学者の物語です。




(1996年8月16日)

Copyright (C) 1996 by DEN Publishing, Inc. All Rights Reserved.