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(1996年11月1日)          




合気道ミュージシャン(?)

現在ケンタッキー州で新作“沈黙の断崖”を撮影中のアクション・スター、スティーブン・セガール("暴走特急")はギターの腕もなかなかなもので、共演のクリス・クリストファーソンやザ・バンドのレボン・ヘルムと毎晩のようにセットでジャム・セッションを行い、ごきげんな様子です。アメリカ南部の違法な危険物処理がテーマのこの映画は、いつもの合気道を駆使したシガール独特のアクション作ですが、1場面だけ教会で歌うシーンもあります。昔からザ・バンドのファンだったセガールは、撮影の合間をぬって彼らのコンサート・ツアーへ同行し、ニュージャージー州のステージでジャムまでこなすなど、真剣に音楽と取り組むもよう。現在公開中の連続殺人事件スリラー“グリマーマン”では、サウンドトラックへ自作を挿入し、作曲のほうも腕前を披露しています。そのプレミアに出席した彼がもっぱら話題に取り上げていたのは、音楽かと思いきや・・・・・・9月4日、元ベビーシッターのガールフレンド、アリッサ・ウォルフとの間に生まれたばかりのベビー、サバンナのことでした。ちなみに、最初の奥さんが大阪の合気道道場主の娘藤谷みや子さんで、2人の間には日本で女優をしているアヤコさん(26歳)、ロサンゼルスで俳優修行中の息子ケンタロー君(20歳)がいる他、前妻の女優ケリー・ラブロック("ウーマン・イン・レッド")との子供アナリーザ(9歳)、ドミニック(6歳)、アリッサ(3歳)と6人の子沢山でメル・ギブソンと並ぶハリウッド一の子宝パパ、得意なのは合気道や音楽ばかりじゃなさそうですね!





コロンバスの知恵

今月末の公開に向けて、現在アーノルド・シュワルツネッガー主演のコメディー“ジングル・オール・ザ・ウェイ”を必死で編集中のクリス・コロンバス監督("ミセス・ダウト")は、編集が終わり次第、全米数ヶ所で試写会を催す予定です。試写会の目的は、観客が一番笑うシーンや、監督として笑って欲しいのに、いまいち反響の足りない部分を把握し、再編集をした上で公開するためで、公開時は主観的にも客観的にも最高の出来映えを目指しています。今夏、往年の名作である“猿の惑星”のリメイク版をシュワルツネッガー主演で撮る予定だったクリスですが、「クラシックといわれる作品のイメージを壊したくない」と、最終段階になって降板しました。自作“ホームアローン”の続編についても、主演のマッカリー・カルキンが16歳に成長してしまったことや、最近「もう、マッカリーを一人で家に残すのは危険でなく、彼を家族と家に居させるほうがかえって危ない」と皮肉られているカルキン家の醜いゴシップ(父親との裁判沙汰や両親の離婚騒動)などを理由に、絶対参加しないと言い張っています。噂では、クリスがニューヨーク大学映画科を卒業したばかりの頃、処女作の脚本“グレムリン”を映画化してくれた恩人スティーブン・スピルバーグ監督のドリームワークス・スタジオの次作“キーパー”を監督するのではと言われています。いっぽう“ホームアローン”シリーズを製作した20世紀フォックスは、カルキンとクリス抜きの製作準備を始め、現在主演の少年をキャスティング中。最近、シリーズの編集を手がけたラジャ・ゴスネルが監督に抜擢され、準備は着々と整っているようですが、さて、あのコミカルなタッチを再現できるかどうか見ものです。





ラテンの星

少数民族(マイノリティー)に厳しいといわれるハリウッドで、ラテン系俳優としては最高の100万ドルのギャラを射止めた女優がジェニファー・ロペスです。2年前、女性マネージャーに惨殺されたメキシコ系アメリカ人の歌手セレナの自伝映画で主演する彼女は、9月のクランクイン以来、今も撮影で追われています。5,000人の応募者があった中からこのスーパースター役に抜擢されたロペスは、ラテン系の役ばかりか、脚本上白人の役へもキャストされる売れっ子ぶり。この夏のヒット(?)作“ジャック”では、ロビン・ウィリアムス扮する肉体だけ大人の小学校5年生がひそかに想いをよせる小学校教師を演じ、次作“ブラッド&ワイン”では共演がジャック・ニコルソンと、今や破竹の勢いの彼女は、最近ジョン・ボイト("ミッション・インポッシブル")との共演作“アナコンダ”を撮り終えたかと思ったら、早くもオリバー・ストーンの次作“Uターン”にキャストされました。幼い頃からダンスを習っていた彼女の最初のチャンスは、ジム・キャリーの出身番組でもあるヒットTVシリーズ“イン・リビング・カラー"のダンス・チーム一員として出演したことで、その後、ウエスリー・スナイプス主演の“マネー・トレイン”や“ミ・ファミリー”へ出演して現在に至っています。後者の監督グレゴリー・ナバが、セリーナ企画を監督する時、ロペスを推薦したこともラッキーでした。まだ25歳の彼女、数少ないラテン系の主演級女優として、ますます活躍して欲しいですね。





新企画情報


ハリウッドの巷で入手した、最新企画のニュースをダイジェスト版でお知らせします。


隣人であり親友でもありながら一緒に仕事をするチャンスのなかったスピルバーグ監督とトム・ハンクスというアカデミー賞受賞の大物2人が、敵陣を突破して置き去りにされた兵隊を救うストーリーの戦争映画“プライベート・ライアン”で、それぞれ監督と主演が決定。製作はパラマウントとスピルバーグのドリームワークスが共同で行う予定です。

見事に転けた“ストリップ・ガール”から兵隊役の次回作“G・Iジェーン”と、破格のギャラ1,200万ドルで話題のデミー・ムーアですが、今度はその何十分の一の条件でウッディー・アレン監督("ブロードウェイと銃弾")の次回作品(タイトル未定)に主演します。

“インディペンデンス・デイ”で、エイリアンに誘拐された経験のある酔っぱらい役が大好評だったランディー・クエイドは、ミシシッピー川の氾濫と銀行強盗が背景のドラマ“ハードレイン”でモーガン・フリーマン("セブン")やクリスチャン・スレーター("ブロークン・アロー")と共演する予定です。

1970年代のヒット“シャフト”シリーズで国際的に名を馳せたリチャード・ラウンドトリーは、バスケットボールのスーパースター、シャキール・オニールが主演する人気漫画キャラクターの映画化“スティール”で、屑を芸術品に、そして鉄を鎧にしてしまう引退した廃品回収屋として出演します。

未だに執筆中ながら、ワシントンと軍隊が舞台となったダニエル・アレクサンドラの小説「ホワイト・ブラッド」は、謀略小説の大御所トム・クランシーばりの綿密なプロットで上々の前評判。300万ドルでユニバーサルが落札し、さっそくリチャード・ギアの主演が決定しました。また、ダニエルの前作「アンディスクローズド」は現在“G・Iジェーン”と改名され、リドリー・スコット監督のもと撮影進行中です。

子供の頃育ったニューヨークにある家へ戻った酔っぱらいの冴えないプロ・ホッケー選手が、今その家に住む女性と二人の子供の生活に巻き込まれるコメディー“ブロードウェイ・ブローラー”は、ブルース・ウィリス主演で1月から撮影開始の予定です。

今年のアカデミー男ニコラス・ケイジは、メグ・ライアン("フレンチキス")の共演で、ドイツの名監督ウィム・ベンダースの名作“ベルリン・天使の詩”を、“キャスパー”のブラッド・シルバーリングが監督するリメイク版“シティー・オブ・エンジェル”に1,200万ドルのギャラで主演します。

これまたアカデミー受賞者であるミラ・ソルビノは、香港映画界の大スター、チョウ・ユンファのハリウッド進出第一作“リプレイスメント・キラー”への出演が確定的。この映画は、彼女扮する偽札偽造者とチョウ演じる元反体制主義者の暗殺者が、雇われた殺人依頼を協力して防ぐというストーリーのアクションです。




ベテランからの一言

往年の名俳優ハンフリー・ボガードの奥様としても著名なローレン・バコール("カサブランカ")は、72歳の今、これほど忙しかったことはないと嬉しい悲鳴を上げています。というのも、アラン・ドロンと共演したフランス映画“レ・ジョアー・エト・ラ・ヌイ”のルーピング(撮影の際うまく収録できなかった音声の再収録)でパリに行ったかと思えば、バーバラ・ストライサンドの母親役を演じた“ミラー・ハズ・トゥー・フェイセス”の宣伝でロサンゼルスへトンボ帰り。その後はジャック・レモン、ジェームス・ガーナー("マーベリック")と共演の“マイ・フェロー・アメリカンズ”の撮影に入ると、'40〜'50年代の大スター時代ですらなかったほどの売れっ子ぶりだからです。そんな彼女が「美貌はいつか失われるけれど、演技の才能は永遠の物。もっともっと芸を磨いて欲しい」と、現代の若手スターたちにアドバイスしています。




(1996年11月1日)

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