Windows95から98へスムーズに乗り換えるには?


 間もなく“Windows98”が店頭に並んだからといって、3年前とは状況が違い、慌てて飛びつく人はそれほど多くないような気がします。むしろ、簡単だと聞かされて“Windows95”に取り組んだ結果、コンピュータへ抵抗を覚える初心者や、すでにコンピュータと馴染む人なら、最近の目まぐるしい変化の中で新製品に悩まされた経験から、まずは様子を見てみようというのが一般的な反応ではないでしょうか?

 じっさい、新しい環境への順応性に個人差があっても、ある程度の時間はかかるものです。その間、今までと勝手が違うので戸惑ったり、あるいは能率が低下するのはしかたがありません。コンピュータなら、新しいOS(オペレーション・システム)の導入は、まったく違う環境を意味します。ソフトの場合、バージョンアップしたものを使いこなせるまで、問題があれば古いバージョンで仕事を続ける手はありますが、OSだと(複数のOSかコンピュータを常用しているかた以外)そうもいかず、問題を解決するまでは仕事どころじゃなくなるわけです。

 そこで、“Windows98”の導入を考えているかたへお薦めしたいのが、発売前に部分的なバージョンアップで馴染んでおく・・・・・・発売されていないものを、どうやって? という心配はいりません。コンピュータ技術の進化がInternetのおかげで加速度を増し、その影響は製品の開発や流通形態へ及んでいます。次期製品に交代するまでのサイクルが短くなった結果、もはや一般的な商品と違って完成品の概念は存在しないのです。試作段階で商品として妥協できるレベルへ達するや発売しない限り、商品価値がなくなってしまうため、開発者は当初からInternetで試しながら様子を見る一方、誰もがテストに加われる流動的な状況となりました。
画像による目次はここをクリックして下さい
[スタート]メニュー

 前回のコラムで触れた“IE4(インターネット・エクスプローラ4.0)”は、Microsoftのサイトから簡単にダウンロードできます。そのオプション「デスクトップ・アップデート」が“Windows98”のテスト版であることは、ご存じのかたも多いはずです。まず、それをダウンロードして下さい。もし“IE4”をご使用中でしたら、「コントロール パネルアプリケーションの追加と削除」で「Microsoft Internet Explorer 4.0」を選択し、[追加と削除(R)]ボタンを押せば「デスクトップ・アップデート」の追加メニューが起こせます。

 インストールは結構手間取りますが、画面の指示に従うだけです。それが完了すると、あなたのデスクトップは“Windows98”のパターンへバージョンアップされ、いくつかの変化に気がつかれることでしょう。[スタート]メニューへは“IE4”の「お気に入り(A)」が加わり、「設定(S)」の項目へは新たに「フォルダ オプション(F)」と「アクティブ デスクトップ(A)」が加わりました。

画像による目次はここをクリックして下さい
横井康和フォルダ

 フォルダを開いてみると、もっと違いははっきりします。その新しいパターンが嫌か、いったん前のパターンへ戻し、そこから徐々に馴染んでいきたい場合、この「フォルダ オプション(F)」を開いて「従来の Windows スタイル(C)」を選択すれば、メニューバーへ追加される“IE4”のアイコン以外は、ほぼ従来どおりのパターンです。

 こうしてフォルダが元に戻れば、使い勝手は以前と変わらず、ほとんど戸惑わなくて済みます。その上でゆっくりと新しいフィーチャーを研究しながら“Windows98”の発売へ備えることで、日常の仕事に差し支えるリスクを軽減し、スムーズな乗り換えが可能となるはずです。Microsoftは“IE4”のBETAバージョン(テスト版)で“Windows98”の新機能を試し、われわれはそれを利用して、いわば段階的なバージョンアップが出来る現状も、Internetの発展抜きでは考えられません。目まぐるしい変化でうんざりするばかりでなく、せっかくならプラス面を活かさないと損だと思いませんか?

画像による目次はここをクリックして下さい
クイック起動バー

 さて、フォルダーが変わった以外、新しいデスクトップでもう1つの目につく特徴は「クイック起動バー」です。タスクバーの[スタート]ボタンと並び、ふつう4つのアイコンが表示されます。右図の場合は、「アウトルック エクスプレスの起動」、「インターネット エクスプローラの起動」、「チャンネルの表示」、「デスクトップの表示」の4つへ、後から「ネットスケープの起動」と「横井康和フォルダの起動」の2つを付け加えました。このシングル・クリックでアプリケーションを起動する新機能は、すぐに馴染めて、なかなか便利なフィーチャーです。

 私個人のセットアップだと、[スタート]ボタンの代わり、この「クイック起動バー」がすべての出発点となり、“Windows”を起動したら、まず「クイック起動バー」右端のアイコンをシングル・クリックして「横井康和」フォルダを開き、ふだん使うほとんどの機能はそこからコントロールします。いわばカスタムメイドの「マイ コンピュータ」とお考え下さい。アイコンのうち半分近くがフォルダであり、文章および画像処理といった編集作業の時なら、“Microsoftオフィス”や“一太郎”などのアプリケーションを含む主なエディタ類は、その中の「エディタ」フォルダを開けばいいのです。こうした用途に合わせたいくつかのフォルダがある他、ここから「DOSプロンプト」、「エクスプローラ」、「コントロール パネル」を開けるのはいうまでもありません。

画像による目次はここをクリックして下さい
デスクトップ

 参考までに私がふだん使っている3台のコンピュータは、どのデスクトップもだいたい左図のようなセットアップで統一してあります。デスクトップ左下の「クイック起動バー」で右上の「横井康和」フォルダを開き、そこから左上の「コントロール パネル」、右下の「インターネット」フォルダ、中央下の「エディタ」フォルダ、左下の「トランプ」フォルダを開いたこの状態で作業を始めるのが、ここ3年来の習慣となりました。人それぞれパターンは違っても、自分が使いやすいセットアップを見つけることは、日頃の作業へも大きな影響を及ぼし、ちょっとした工夫が、時には驚くほど使い勝手を良くするものです。

 少しでもみなさんの参考となるよう、私個人のセットアップをご紹介しましたが、その「クイック起動バー」はどうすればカスタマイズ出来るのか? これが意外なほど簡単で、1度でもエクスプローラを使ったかたなら問題なく出来るはずです。順序としては、ドライブCの「Windows」をインストールしたディレクトリへポインタを合わせてダブル・クリックし、サブディレクトリが表示される状態にして下さい(いったんポインタを合わさないでダブル・クリックしても、Windows95と違ってサブディレクトリは表示されません)。同じ要領で「Application DataMicrosoftInternet ExplorerQuick Launch」へと進めば、右の画面に最後のサブディレクトリ「Quick Launch」の中身が表示されます。それらのショートカットは「クイック起動バー」の内容と同じなのがおわかりいただけるでしょう。

 「クイック起動バー」の内容を変える場合、右の画面からいらない「ショートカット」や「Windows エクスプローラ コマンド」を消せば、その項目は削除され、新しい項目が追加したければ、そこへショートカットを「新規作成(N)」するだけという単純さです。ショートカットの名前は、そのまま「クイック起動バー」のアイコンへポインタをもっていった時に現われる「説明文」となり、ショートカットの「プロパティ(R)」でアイコンが変えられます。ただ、じっさい試すまでは、カスタマイズがどれだけ簡単で、どう重宝するのか、なかなか実感できないかもしれません。興味のあるかたは、まずご自分でトライするのが先決かも・・・・・!?


お断り 

これらのテクニックを試される場合は、みなさん個人の責任でお願いします。何かの手違いからWindowsが動かなくなったとしても責任は取りかねますので、その点をご了承ください。

横井康和        


Copyright (C) 1998 by Yasukazu Yokoi. All Rights Reserved.

どちらを選ぶべきか? 目次に戻ります Windows98風のボタン