デスクトップ・テーマのチューンアップ


 前回はジャバ・スクリプトの書き方と、対象がホームページを作成するかたへ限定されてしまいました。そこで今回はテーマを“Windows 98”に戻し、“デスクトップ・テーマ”のチューンアップについて、そのリソースともどもお届けしましょう。

 この“デスクトップ・テーマ”が初めて登場したのは、Windows 95の機能を拡張する付録として“Plus!”が同時発売された時です。Windows 98ではこれが標準装備となり、テーマもこれまでの13パターンへ新たな4パターンを加える他、機能面では各テーマで指定する範囲が広がっています。また“Plus! 98”は新しい機能に合わせた18パターンが含まれ、Microsoft社のオリジナルだけで35パターンとなりました。

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“黄金時代”の[ネットワーク
コンピュータ]アイコンの中身
 各テーマで一番目立つのは、常時スクリーンを飾る背景のウォールペーパーとデスクトップのアイコンです。そしてアイコンの場合、コンピュータの設定や表示場所で色や質が変わるのをお気づきでしょうか? その理由は1つのアイコンでありながら、設定毎に合わせた複数の画像から構成されているためです。たとえば“黄金時代”の[ネットワーク コンピュータ]なら右のような6つの画像が含まれています。

 昔のような16色で32平方ピクセルの画像1つで問題はないのですが、細かい画像をエクスプローラの画面で16平方ピクセルまで縮小すると何の絵だかわからなくなったり、“画面のプロパティ”の“効果”で「大きいアイコン使う」にすると48平方ピクセルまで拡大された画像は、どうしても荒くなってしまいます。また、Windows 95以来、せっかくアイコンに使える色数が増えたからと、256色だけでは見るコンピュータが16色の設定だと元のイメージは台無しです。

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“モア Windows”の[ごみ箱
がいっぱい]アイコンの中身
 もし、1つのアイコンに複数の画像が含まれていれば、コンピュータはそれぞれの状況で最も適したものを選んでくれます。したがって、Windowsが使う3つのサイズと2種類の色でアイコンを作っておけば、まずは対応できるというわけです。そして、16色と256色の設定で画像の中身が同じ必要はなく、そのいい例が“モア Windows”の[ごみ箱がいっぱい]で、設定次第で表示されるごみ箱の形まで違います("Win Zip”のツールバーは、これをソフトウェアで利用した好例)。

 さて、Microsoft社のオリジナル35パターンを見比べると、いくつかの不満があり、アイコンに関してはパターンがばらばらで1つ1つ独立している点です。当然ながらそれなりの理由はあって、標準装備となった旧13パターンと新しい4パターンに“Windows 98”からテーマで指定できる[マイ ドキュメント]のアイコンが含まれていないのはしかたありません。

 また、旧13パターンのアイコンがサイズは3パターン含まれていながら、16色しかないものも多く、以前は気になりませんでした。しかし、“Plus! 98”のテーマがほとんども6パターンのアイコンで統一されれば2〜3の3パターンが気になり始め、とうとうとその不満が先の旧13+新4パターンへ飛び火した結果、全体のチューンアップを思い立った次第です。

 ただし、チューンアップの基盤となったアイコン・ファイルは“Windows 95”と“Plus!”が発売された直後に作成しています。当時、“Themes”のディレクトリへ含まれるファイル数が他のディレクトリーと比べて多すぎることと、“画面のプロパティ”の“効果”で「アイコンの変更」からアイコンを変える場合、他のMicrosoftパターン同様、アイコンだけは1つの「dll(ダイナミック・リンク・ライブラリー)ファイル」へまとめたほうが便利だとわかり、さっそく実行しました。

 ばらばらのアイコンが1つの「dllファイル」に納まっていると、「アイコンの変更」ウィンドウを開くだけですべて表示されるため差し替えは簡単です。“Plus! 98”発売後、こうして作成したファイルへ各テーマの[マイ ドキュメント]アイコンを付け足し、16色だけのパターンなら256色も加えたところで、チューンアップの下準備が整います。

 続いて、日本語版の“Windows 98”で最も不満なカタカナの扱いです。これは日本のMicrosoft社自ら外国企業の支社に過ぎないと主張しているようなもので一貫性がありません。職業柄、私は日本語への拘(こだわ)りが人一倍強いせいか、初めて“Windows 95”を使った時は半角のカタカナが不満でした。しかし、英語版の文字を日本語化した場合、どうしても長くなってしまう上、モニターの限られたスペースへ、より多くの情報を表示するため、結局、半角のカタカナは合理的であると納得し、日本のMicrosoft社を見直したわけです。

 以来、普通の文章で半角のカタカナを使わない私が、モニターの表示だけはすべて半角で統一するようになりました。そして3年後、いざ“Windows 98”が出るとカタカナはすべて全角に変更されており、結局、私が3年前、拒絶反応を示したあげく、最後はMicrosoft社が半角を採用したポリシーへ感心したのが単なる買いかぶりだとわかります。そればかりか、普通のインストールに加え、可能な限りプログラムで使われている全角を半角へ変更するための手間は、ちょっとやそっとで済みません。

 現在、私自身の“Windows 98”は日頃愛用するコンピュータ3台共、直せる部分のほとんどが半角のカタカナです。半角へ書き換える作業の中で、当然ながら各「テーマ・ファイル」も修正しました。今回のチューンアップは、アイコンとそれらの「テーマ・ファイル」がポイントとなります(今後、ポインタ等もお届けしてゆく予定です)。チューンアップの方法は、ただダウンロード・ページから必要なファイルをダウンロードしていただき、それを説明どおりセットすれば終わりです。

 興味があるかたは、ダウンロード・ページをご覧いただければ、それらの説明がありますので、試してみて下さい。このページを書いていていつも思うことは、内容がどれだけ簡単であろうと、試すまでは実感できません。読むだけで実感できない“Windows”のテクニックを、なんとか言葉で説明しようとする歯がゆさを覚えながら、そろそろお別れします。なお、“デスクトップ・テーマ”への質問やリクエストがあるかたは、ご遠慮なく電子メールをどうぞ!


お断り 

これらのテクニックを試される場合は、みなさん個人の責任でお願いします。何かの手違いからWindowsが動かなくなったとしても責任は取りかねますので、その点をご了承ください。

横井康和        


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