海王星に続く黄金時代は?
「ネプチューン(海王星)」のコードネームで開発されたWindows 2000の製品版の発売後、早半年近くが過ぎました。このWindows NTと一体化された2000の次は、95/98ファミリーの最後を飾る「ミレニアム(黄金時代)」が秋に登場する予定です。日本でも早くからネット上を賑わしている「ミー」というのは、これを差します。ちなみに、千年単位の祝福といった意味合いもある「ミレニアム」が、やはり西暦2000年を引っかけたネーミングであることは言うまでもありません。
さて、この「ミレニアム」ですが、どうせその後はWindowsが2000(つまりNT)のラインへ一本化されるとわかっていながら買うだけの価値はあるのかどうか?・・・・・・それを考える上で、なぜ2000が発売された時点で反応は賛否両論に分かれたかを再検討すれば、なんとなく絵が見えてきます。
95の時は発売されるや、それを組み込んだコンピュータが待ちかねたとばかりに市場へ溢れ出ました。98の時はさほど騒がれなかったとはいえ、それを組み込んだコンピュータが発売と同時に売り出された点では変わりません。ところが、2000の時はどうだったかといえば、それを組み込んだコンピュータの発売が大幅に遅れ、半年近くを経た現在、まだ98と2000は半々の状態です。
システムのプロパティ
個人が使う場合2000までは必要なく98でじゅうぶん、かつ使いやすいというのも理由の1つですが、これは建前にすぎません。各社ともドライバ類の開発が追いつかなかったというのが本音でしょう。私自身、発売前から2000をテストしながら、随分いろんなハードを使えなくて不自由しました。それらの多くは製品版でも解決されておらず、結局、メインのPCだけ2000と98をデュアルブートできるようセットアップしています。個人的に2000が優れたOSだと思う一方で、いまだ各メーカーへ2000用のドライバは出来たかどうかを問い合わせ続けている不便さがあり、じつはこの点こそ反応が賛否両論に分かれた根本的な理由なのです。95から98の時と違って、98から2000では根本的な設計がかなり変更されているため多くのドライバ類は新しいものを必要とし、その設計がまた簡単ではありません。
ただ、2000用のドライバが追いつかないだけで2000は良くないと決めつけると、せっかくの快適な機能が使えず損をします。どうせ「コンピュータ市場」という特殊な世界では完成された商品を期待することが出来ず、いま使っているものですらドライバ類はそれぞれのハードウェア・メーカーが絶えず改良を続けており、定期的にインターネットでメーカーそれぞれのホームページをチェックする習慣はつけたほうがお得です。
まず、自分が使っているコンピュータの各ハードウェア・メーカーのホームページを訪れ、ドライバのダウンロード・ページを「ブックマーク」や「お気に入り」へ加えておけば、定期的にそれらのページをチェックすること自体は初心者でも難しくありません。そして、新しいドライバーが見つかった時は、とりあえずダウンロードして下さい。
もし、ダウンロードしたのが「.exe」ファイルなら、「スタート」→「ファイル名を指定して実行(R)」からそのファイルを起動すれば、あとはほぼ自動的にインストールしてくれます。それが「.zip」ファイルなら、いったん解凍してからインストールしなくてはなりません。
ここから先が初心者だと難しいかもしれませんが、本来は誰にでもインストール出来るよう設計されているはずので、いったん要領を覚えれば簡単なプロセスです。ドライバが何であれ、解凍後のインストールの第1歩は「スタート」→「設定(S)」→「コントロールパネル(C)」から「システム」のアイコンをクリックして「システムのプロパティ」→「ハードウェア」を選びます。
デバイス マネージャ
そうすると2000の場合、上図のようなウィンドウが開くので、その中央右側の「デバイスマネージャ(D)」ボタンをクリックして下さい(95/98の場合は上部に並んだ選択肢から選びます)。左図のようなウィンドウが開いたら、ドライバを更新したい項目を選んで左の「+」をクリックし、その中からさらにハードウェアを選びダブルクリックして「プロパティー」を開きます。各ハードウェアのプロパティには「ドライバ」のウィンドウがありますから、それを開いて右下の「デバイスの更新(P)」ボタンをクリックして下さい。そこで表示されるのは「デバイスドライバのアップグレードウィザードの開始」というウィンドウです。
こうして、いったんウィザードが起きれば、あとはその指示に従います。ただし、途中で「ドライバファイルの特定」のウィンドウが開いた時だけは4つの選択のうち「場所を指定(S)」のみを選び、続いて開くウィンドウで右下の「参照」ボタンをクリックし、先に「.zip」ファイルを解凍した先のディレクトリへ移動して下さい。
解凍した中で「.inf」ファイルが表示されますので、それをクリックするとインストールの開始です。インストール後は表示にしたがい必要であればコンピュータを再起動し、再起動された時には新しいドライバへ更新されています。読むと難しそうですが、やってみるとそうでもありません。
あまりコンピュータは得意でないかたも、今後ますます生活と密着してゆくコンピュータ、馴染んでおいて損をしないのがドライバの更新方法でしょう。裏返せば2000であれミレニアムであれ、あるいはユーザーのレベルがどうあれ、ある程度の探求精神と冒険精神を持たない限り、「黄金時代」は自分のものにならないのがインターネットを含めたコンピュータの世界といえそうです!
お断りこれらのテクニックを試される場合は、みなさん個人の責任でお願いします。何かの手違いからWindowsが動かなくなったとしても責任は取りかねますので、その点をご了承ください。 横井康和 |