スライドショー
先月、いよいよ新世代のWindows XPが発売されて、95→Me系列とNT→2000系列は一本化が始まり、年末にはその64ビット版も出る予定です。もっとも、2000がベースとなったXPでフィーチャーされている新しい機能の多くは、半年近く遡(さかのぼ)って発売されたOffice XPをご使用中のかたなら、すでに馴染んでおられると思います。そして、XPが備える機能で目を見張るのは、なんといっても「音声入力」の導入でしょう。
音声入力機能自体、数年前から何社かのメーカーが製品化しているものと、さほど変わりません。ただ、マイクロソフト社の場合、OSの中核を成すIME2002という日本語機能へ組み込んだ結果、初めて実用性を伴ったといえます。じっさい、ワードの口述筆記(ディクテーション)など、いったんこつを覚えるとキーボードの入力よりは遥かに効率が良くて楽です。
いっぽう、非合法なインストールを避けるためOffice XPに備わった「ライセンス認証」という面倒な登録機能のおかげで、登録しない限り50回(Windows XPの製品版は1ケ月間)しか起動できず、登録後は違うコンピュータへインストールした場合、受け付けてもらえません。もしインストールしたコンピュータがクラッシュしたり新しいコンピュータと買い換えた時は、マイクロソフト社へ電話を入れ、それなりの手続きを踏まないと使えないばかりか、XPの製品価格が極端に高くなった原因は音声入力のような納得できるものばかりでなく、このライセンス認証のような正直者が馬鹿を見る機能の分も含まれています。
また、ふだん使うワープロはここ2〜3年、自然淘汰の結果、ほとんどワード1本となり、一太郎を使う機会がなくなった私ながら、日本語機能そのものは依然(一太郎の)ATOKのほうが(ワードの)IMEより優れているため、規定値としてはこちらを引き続き利用してきました。ちょうど、インターネット・エクスプローラの代わりネットスケープをWindowsと組み合わせるパターンです。それが音声入力の場合はIME2002でしか機能しないため、もはや選択の余地がありません(ネットスケープでは特定の効果が機能しないため、しかたなくインターネット・エクスプローラへ乗り換えるのと同じパターン)。
個人的には、この半年間で日本語の口述筆記(ディクテーション)がすっかり日常化した今も、IME2002でしかその機能を使えないことや、ライセンス認証などへの苛立ちは日々つのっています。同じエネルギーをもっと有意義に使ってほしいと願いつつ、マイクロソフト社側の正当な根拠が理解できるだけ、不満は増すばかりです。「マイクロソフト裁判」がすっきりしないのも、本質は同じところにあるような気がします。たぶん答はコンピュータが進化を止めるまで出ないのでしょう。
そんなわけで、XPへはこれ以上触れません。それより、95からXPまでWindowsのバージョンを問わず、またコンピュータの初心者からベテランまでが参考に出来そうなテーマを考えてみました。結果、今回はスクリーンセーバーのスライドショーをご紹介します。無償、有償、シェアウェアを問わず、これらのソフトがインターネット上に氾濫している中でも、ぜひお薦めしたいのは以下の2点です。各ボタンをクリックすればダウンロードができますので、とりあえずお試し下さい。
インストールは、どちらもエクスプローラを開きダウンロードしたファイルをダブル・クリックするだけです。インストール後のオプションも、操作方法が違うだけで選択内容そのものはほとんど変わりません。各々の画像を表示するサイズおよび時間と順序、タイトルや解説の挿入および表示選択、画像が入れ替わる時の効果と種類およびその使用選択、ウォールペーパーとの連動などが、ご自分で選べるようになっています。
スライドショーのダウンロード
ウェブショットのダウンロード
▼ スライドショーの基本的な設定は2段階にわかれており、スタートメニューかデスクトップのスライドショー・アイコンからアイコン・パネル(Slide Show)を開き、その右端のレンチをクリックして表示されるのが右図上のコントロール・パネル(Configure)です。このパネル中央では@画像が入れ替わる時の効果(Screen Saver Effect)とA画像を表示するサイズ(Placement)の他、B全コレクションを表示(Display All Collections)、C表示する順序(Random order)、Dタイトルを表示(Captions)、E画像の質(High quality)、F小さい画像を並べて表示(Tile Small Images)、G縮小時のアイコンをタスクバーへ表示しない(Hide minimizes icon)をチェック・ボックスで選択できます。@は効果の種類がわかるまでとりあえず「Random」、Aは写真のスライドショーなら元のサイズをそのまま表示する「No Stretching」を選び、B以降はお好みに合わせて選択したいボックスだけチェックして下さい。
▼
スライドショーの
コントロール・パネルコントロール・パネルの右では@スクリーンセーバーのオン・オフ(On/Off)、A起動するまでの待ち時間(Start After)、B各画像の表示時間(Cycle)、Cショートカット・キー(Quick Start)が選択できます。@をオンにした場合、Aへ分単位の待ち時間とBへ秒単位の表示時間を入力し、ショートカットからでも起動できるようにしたいならCをチェックして下さい。Aは2分、Bは5秒ぐらいがいいでしょう。なお、パネル左ではウォールペーパーを設定できますが、ここでは触れません。
ひととおりの設定が終わったら、続いてコレクションの選択およびタイトルの編集です。これはパネル右下の縮小画像をクリックし、2番目(右図下)のコントロール・パネル(View Collection)を開いて行います。コレクションがサンプル1つだと、コレクションの選択(Installed Collection)とアクティブ(Active)のチェック・ボックスは無効です。複数のコレクションがある場合、「全コレクションを表示(Display All Collections)」を選択してもアクティブなものしか表示されません。したがって、コレクションはどれだけ増えようと、特定のカテゴリーだけ使ったスライドショーを構成することができます。
ちなみに、使用できる画像の種類はWindowsやインターネット上で一般的なファイル形式ならほとんど問題がなく、各コレクションへ含まれる画像数やコレクションの数は限定されません。たとえば、250枚の写真で構成したコレクションが40あるとすれば、選択次第で最低250枚から最高1万枚のスライドショーとなり、いくらコレクションを増やしたところでコンピュータにかかる負担は同じです。
画像のタイトルを変更したい時は、パネルへ一覧表示されたその縮小画像を右クリックするとタイトル編集ダイアログボックス(Edit Image Caption)が開きます。そこに表示されたタイトルか画像のファイル名を、新しいタイトルと書き換えたら「OK」をクリックしてください。なお、スライドショーの各コレクションはハードディスクからディレクトリ単位で画像を読み込むため、もしそのディレクトリへ画像が追加あるいは削除されると、スライドショーがディレクトリごと読み直します。その時、せっかく書いたタイトルは画像のファイル名で上書きされることをお忘れなく。
画像を追加したり削除することが多いディレクトリーは、変更するたびにすべてのタイトルを書き直す代わり、最初からスライドショーが読み込める形式のファイルへタイトルを保存しておく手もあります。メモ帳を開いて1行目に「[information]」、2行目に「caption=タイトル」と書き、画像ファイルと同じディレクトリへ同じ名前で保存した後、エクスプローラを使ってそのファイルの拡張子「.txt」を「.nfo」に変更すればいいのです。つまり、ファイル名は「hawaiitrip01_04.jpg」というハワイ旅行の写真なら、右例のような内容を「hawaiitrip01_04.nfo」というファイル名で写真と同じディレクトリへ保存しておくと、スライドショーは写真と同時に「at Waikiki Beach, 2001」というタイトルも読み込んでくれます(ただし、「.bmp」形式の画像だと機能しません)。
[information]
caption=at Waikiki Beach, 2001
新しいコレクションが追加したい時は、そのコレクションへ入れる写真を1つのディレクトリにまとめてから、2番目のパネル(View Collection)最後のコレクション追加ボタン(Create Collection)をクリックして下さい。表示されたディレクトリの選択を新しいコレクション用の写真が入っているディレクトリへ変更して「OK」をクリックした後、コレクションのタイトルを記入するとスライドショーはディレクトリ内の写真(とタイトルがあればそれ)を読み込み始めます。すべて読み終わればコレクションの追加は完了です。
▼ ウェブショットの場合、スタートメニューかデスクトップのウェブショット・アイコンをクリックすると右図のコントロール・パネルが開き、基本的な操作はすべてここから出来るように設計されています。左半分へすべてのコレクションが表示され、右半分は左で選択されたコレクションの内容です。全コレクションが表示され、各コレクションの横にアクティブのチェックボックスを置く以外、スライドショーの2番目のパネルとほとんど変わりません。あとは上に並んだ紺色のボタン7つが(スライドショーの)1番目のパネルとよく似た機能を備えています。
ウェブショットの
コントロール・パネル左から@コレクション(Collections)、A写真(Photos)、Bインフォメーション(More Info)、C設定(Settings)、Dデモ(Demo)、Eホームページの紹介(To Web)、Fヘルプ(Help)と並んだボタンのうち、スライドショーと基本的に違うのが@とAです。スライドショーのコレクションは「.iniファイル」へディレクトリ名を書き込み、そのディレクトリ内で画像リストを作ります。スクリーンセーバーがそのリストにそって画像を読んでいくわけです。読もうとしたファイルが削除されていたり新しいファイルを追加するたび、なぜコレクションを作り直すのか、これでおわかりでしょう。
いっぽう、ウェブショットはコレクション毎に独立したファイルを作り、そこへ画像を丸ごと読み込む仕組みなので、読み込んだ後、元の画像がどうなろうと関係ありません。同じく、コレクションに含まれる画像はバラバラのディレクトリから読み込むことも出来ます。便利な反面、コレクションのファイルが読み込んだ画像ファイルのサイズ分だけ大きくなり、(元の画像を削除しない限り)ハードディスクのスペースを倍使うことになります。
ちなみに、レッド・マガジンの「聖林写真館」やヨコチン・ページ情報図書館の「軍用ジェット機/ヘリコプタ」などは、10年間ぐらい前から私個人が自作のウォールペーパーや写真でスライドショー用を楽しむうち、いつしか画像のコレクションは1万枚を超し、その蓄積を母体として生まれました。たとえば、聖林写真館でもっともアクセス頻度が高い多い水島裕子は画像サイズのトータルが6メガバイト、フロッピディスク4〜5枚あればじゅうぶん足りるサイズです。しかし、インターネット用に圧縮比を高くする前、つまり私個人のコンピュータでスライドショーをやる時の写真は、同じ内容で「.jpg形式」なら22メガバイト、「.bmp形式」ならその3倍近くあります。
それをスライドショーとウェブショットの両方で見る場合、「.bmp形式」だと100メガバイト以上のスペースが必要です。この比率で女優30人分のスライドショーを作るとなれば3ギガバイトあっても足りません。妥協案として画像ファイルを圧縮しない「.jpg形式」、ウェブショットへはインターネット用の圧縮ファイルから読み込んで保存すると約28メガバイトで済みます。ウェブショットだと、ハードディスクの容量が許す範囲内で画像の形式や圧縮比を決めるぐらいの配慮はほしいものです。
ウェブショトが@のメニューでコレクションを作成したり削除したり中の画像を単独の画像ファイルとしてエクスポートしたり、またAのメニューでコレクションに写真を加えたり削除したりタイトルや解説を編集する機能を持つのも、こうした構造上の違いから当然だとおわかりいただけるでしょう。あとはDのデモが意外と便利です。これはWindowsの「コントロール・パネル→画像→スクリーンセーバー」の「プレビュー(V)」とまったく同じ機能ですが、ウェブショットの設定を変更する時など、そっちへ行かなくてもボタン1つで結果を確認できるのは重宝します。
最後にウェブショットが最大の売り物としているのは、その名前どおりインターネットとの連動です。Eのウェブをクリックすれば、彼らのサイトへ簡単に接続できます。豊富なコレクションがシステムごとそこからダウンロードできる他、自作のコレクションを紹介したいかたはそれをアップロードしたり、他の読者が作ったコレクションをダウンロードできたり、いわばスクリーンセーバーのチャットルームは、なかなか面白いアイデアです。こうした投稿ファイルを踏め、カテゴリー別で分類されたファイルの量と質が、ともかく半端ではありません。
▼ スライドショーのスクリーンセーバーがどれだけ氾濫しようと、ほとんどの機能は今回ご紹介した2つのスクリーンセーバーさえインストールしておけばカバーできます。また、インストールをするだけして使わなくとも、コンピュータへの負担が増える心配はありません。お気軽に試してみて下さい。エンジンがインストール出来た時点で、もし自作のスライドショーまで面倒なら、サンプル画像だけでも楽しむにはじゅうぶんでしょう。
余談ですが、今月から「聖林写真館」では「スクリーンセーバーのダウンロード」ページを新設しました。これまでご紹介してきた18人と今後ご紹介してゆく女優の写真集が、新しいページではスクリーンセーバーとしてダウンロードを出来ます。そのスクリーンセーバーがやはりウェブショットを使っており、「コレクション・ファイル形式」で配布する各女優のスクリーンセーバーも、今後毎月1人づつ増やしてゆく予定です。ただし、このコーナーは会員のかたしかご覧いただけないことをご了承ください。
お断りこれらのテクニックを試される場合は、みなさん個人の責任でお願いします。何かの手違いからWindowsが動かなくなったとしても責任は取りかねますので、その点をご了承ください。 横井康和 |