広告お断り


 インターネットで煩(わずら)わしいのが、こちらの意思とは無関係に表示される様々な広告です。リンクを開こうとしたら、いきなりポップアップ広告が現われた経験なら誰しもあると思います。そこで、今回のテーマは広告を回避する方法や、その関連で宣伝のため個人情報を抜き取る「アドウェア」の対抗策を取り上げてみました。

 まず、広告を回避する一番手軽なのが、いくつかの検索サイトからダウンロードできるツールバーを利用する方法です。たとえば検索エンジンで有名なGoogleのツールバーはhttp://toolbar.google.com/から無償で日本語版がダウンロード出来るので、それをご自分のインターネット・エクスプローラ(以下「IE」)へインストールすれば、ツールバーには最初から広告のブロック機能が備わっているばかりか、わざわざGoogleのサイトへ行かなくても検索を出来るようになります(ダウンロード・ページは英語ですから、ページ右側の「Choose Your Language and Download」で「Japanese」を選択して下さい)。

画像による目次はここをクリックして下さい

 インストールすると図のようなツールバーへブロックした件数が表示されますので、もし必要なポップアップ・ウィンドウまで閉じられてしまった場合は、そこを1クリックするだけで再表示される他、ブロック機能そのものをオフにすることも可能です。ただ、このツールバーがIEのアドイン・ツールであるため、ネットスケープ(以下「NS」)など他のブラウザ(閲覧ソフト)では使えません。

 IEでもNSでも使える同じようなブロック機能を備えたツールに「クローズポップアップ0.64」というフリー・ソフトウェアがあり、インストールや操作はいたって簡単です。次の「DOWNLOAD」ボタンをクリックすると「clpo064.lzh」というファイルがダウンロードできますので、「C:\Program Files\ClosePopup」など適当なフォルダを作成し、そこへファイルの中身を解凍して下さい。

ClosePopup Version 0.64 クローズポップアップのダウンロードはここをクリックして下さい ファイルのサイズは70.8KB(72,502バイト)です。

画像による目次はここをクリックして下さい  以上でインストールは終わり、「ClosePopup」(か指定した他のフォルダ)に6つのファイルが解凍されているはずです。そのうちの「clopup.exe」をクリックして起動しない場合は、「readme.txt」を参照して下さい。問題がなければタスクバー右端のタスクトレイへ表示される「」アイコンで起動したとわかります。

 後は何もしなくてもタスクトレイに常駐し、ポップアップ広告を監視し続けますが、自分の好みで設定を変更することも出来ます。「」アイコンの右クリックで「情報(A)」を開き、その「設定(S)」から右図のとおり、ポップアップ・ウィンドウを閉じるか閉じないかを選択したり、閉じる条件となるウィンドウのタイトルURLへ含まれた特定の文字列を指定したり、横長の広告バナーを重点的に閉じるよう一定サイズ以上のウィンドウは閉じない設定なども可能です。

 試してみて満足されたかたは、とりあえずスタートメニューへ「clopup.exe」のショートカットを加えておいたほうがいいでしょう。また、常駐させても大して負担はかからないツールなので、ウィンドウズと一緒に起動させたいならショートカットをスタートメニューの「スタートアップ」へ入れて下さい。

 もっと細かくコントロールしたいかたへは「プロキソミトロンN-4.5」というツールがあり、これだとバナー広告フラッシュを使った広告もブロック出来ます。ただたんにポップアップ広告を認識して閉じるだけのツールだと、バナー広告、フラッシュ、BGMの自動演奏までは回避できず、データのダウンロードも行われてしまうわけです。

 つまり、HTML(ハイパーテキスト)へバナー広告、フラッシュ、BGMなどの設定が書き込まれている以上、それらの広告をコントロールしたければテキストの内容を変更しなくてはなりません。その機能を備えたのが「プロキソミトロンN-4.5」であり、Googleのツールバーや「クローズポップアップ0.64」と違って使いこなすにはある程度までコンピュータの知識が要ります。

 もともと英語版ソフトであるため、次のダウンロード・ファイルは両方とも必要です。オリジナルのフリー・ソフトウェア「proxn45.exe」とその日本語化用パッチ・ファイル「proxn45j.lzh」がダウンロードできたら、インストールは2段階で行います。最初が英語版ソフトのインストールで、これはダウンロードした「proxn45.exe」をクリックするだけです。

 日本語化の必要がなければ、この時点でインストールは完了しています。続けて日本語化するなら、インストール先のフォルダ(「C:\Program Files\Proxomitron」などインストール時に指定したフォルダ)へ「proxn45j.lzh」の中身を解凍して下さい。そして、解凍された中の「proxn45m.exe」をクリックすると英語版のプログラム・ファイル「proxomitron.exe」が日本語版に書き換えられ、あとは「n45may_j.lzh」へ含まれたファイルで(その中の「readme_jpp.txt」を参照の上)システム・ファイルを変更すれば完了です。

Proxomitron Version Naoko-4.5 プロキソミトロンのダウンロードはここをクリックして下さい ファイルのサイズは1.34MB(1,411,440バイト)です。
日本語化パッチ Version 1.0a アドアウェアのダウンロードはここをクリックして下さい ファイルのサイズは31.5KB(32,296バイト)です。

画像による目次はここをクリックして下さい  インストールが終わって起動すると、タスクトレイにはやはり「」アイコンが表示されます。右図は、そのアイコンをクリックして「プロキソミトロンN-4.5」を開いたところです。なにしろ、ブラウザがサーバからのデータ(つまりHTML)を受け取る時点で、このソフトは多彩なフィルターでテキストの中身さえ書き換えてしまいます。

 したがって、HTMLの機能をコントロールするテキスト内のタグと呼ばれる文字列が変換されるよう設定し、機能させないぐらいは簡単です。設定のし方がわからない初心者へは最初から多数のフィルターが用意されており、ポップアップ広告をブロックするなど汎用のフィルターは初期設定(ディフォルト)で有効となっているため、そのまま使っても邪魔な広告をかなり取り除いてくれます。

 紙面が限られているため設定の詳細は省かせていただきますが、たとえば画像を表示するためのタグと同じ「img」の文字列を他の文字列に変換するよう設定しただけで、すべてのページから画像はいっさい消えて失くなるのです。同じく「href」の文字列を変換すればリンクが機能しなくなるため、どのページを開いてもそこから先へは進めません。このツールがどれだけ強力か、少しはおわかりいただけましたでしょうか?

 同じ広告対策が目的でも、最後にご紹介する「アドアウェア6.0」はアドウェアを排除するためツールで、どちらかといえばウィルス対策のソフトとよく似た機能を持っており、インストールや操作はいたって簡単です。私自身、このスウェーデン製のフリー・ソフトウェアが登場した2000年以来、すべてのバージョンを愛用している経験上、コンピュータの初心者からプロを問わず、ぜひご使用をお薦めします。

 アドウェアとは広告のためユーザーのパソコンへ組み込んで個人情報を抜き取るプログラムで、ふつうユーザーの合意を得てからインストールされますが、合意したことに気づかない場合も少なくありません。たとえばインターネットから画像をダウンロードする際、そのため必要なプログラムのインストールを確認され、合意した経験はありませんか? それが実はアドウェアで、知らず知らず個人情報を抜き取っているのです。

 ばかりか、これまでの経験からインストールが必要なはずのプログラムを拒否したからといって、実際はダウンロードへ影響しないことのほうが多いといえます。どちらにせよ、知らないところで個人情報が抜き取られているのは気持ちのいいものではありません。いくらアドウェアを提供する側が否定したところで、スパイ行為を働く点ではアドウェアが「スパイウェア」の一種であることは確かでしょう。

 また、スパイウェアがコンピュータ・ウィルスの一種と認識されるようになった最近では、ウィルス対策ソフトの多くがスパイウェアへ対応しているいっぽう、現状では専用ツールのほうが対応できるスパイウェアの種類も多く、アドアウェア6.0はその1つです。したがって、自分のパソコンにインストールされたアドウェアを含むスパイウェアが排除したければ、ウィルス・ソフトの使用と平行してアドアウェア6.0で定期的なチェックを実行して下さい。

 アドアウェア6.0のインストールは、まず次の「DOWNLOAD」ボタンをクリックして「aaw6.exe」というインストール・ファイルをダウンロードし、それをクリックするだけです。

Ad-aware Version 6.0 アドアウェアのダウンロードはここをクリックして下さい ファイルのサイズは1.45MB(1,524,843バイト)です。

画像による目次はここをクリックして下さい  アドアウェア6.0のインストールが終わったら、さっそく起動してみましょう。右図はアドアウェア6.0を開いたところで、このページ右下の「Start」ボタンをクリックすると続いてスキャン・モードの選択ページが開きます。初期設定(ディフォルト)のまま使って問題はありませんから、初心者のかたも心配せずページ右下の「Next」ボタンをクリックし、アドウェアのスキャンを始めて下さい。

 ハードディスクのサイズやその使用領域がどの程度かでスキャンの時間は変わってきますが、少なくとも数分を要します。スキャン状況は絶えず表示され、途中で中止したければウィンドウ右下の「Abort」ボタンをクリックして下さい。中止しない限り、スキャンが終わった時点でアドウェアはいくつ見つかったか表示されますので、それが「0」ならアドアウェア6.0を閉じてスキャンは完了です。

 「0」でないとしたら、ページ右下の「Finish」ボタンをクリックし、次のページで見つかったアドウェアを削除します。表示されたアドウェア・リストチェックボックスが付いているのをすべてOnにしてから、4つ並んだ下のボタンのうち「Quorantine(検疫)」か「Next」のどちらかをクリックすれば完了です。リストの中にもし情報を抜き取られるのを承知の上で残しておきたいアドウェアがあれば、チェックボックスはOffのまま次へ進んで下さい。

 スキャンが完了した後、検疫後のアドウェアは必要な場合、元に戻せるようコンピュータ上へ検疫ファイルとして保存されますが、もちろん検疫ファイルは削除できます。スタート・ページ中央の「Usage Statistics」に6項目並んだ最後の「Objects Quarantined」へ表示された数値が検疫ファイルの数で、そのリストは隣の「Open Quarantine-List」をクリックすれば開き、これらの削除も検疫の時と同じ要領です。

 アドアウェア6.0でアドウェアの定期的なスキャンを始めると、それまで自分がどれだけ無防備であったか痛感されることでしょう。見つかって削除したアドウェアの大半は害がないものかもしれません。しかし、幸い無害だったから無防備でも無事だったというのでは、ちょっと心細くありませんか? やはり昔からいうように、備えあれば憂いなし!


お断り 

これらのテクニックを試される場合は、みなさん個人の責任でお願いします。何かの手違いからWindowsが動かなくなったとしても責任は取りかねますので、その点をご了承ください。

横井康和        


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