コーデックの種類を調べるには?


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図1
 去年のコラム「この映画で間違いないか?」でAVI形式ファイルの確認方法をご紹介して以来、「コーデックの種類を調べる方法はありませんか?」という読者からの問い合わせが意外と多く、今回はそれらのメールへまとめてお応えすることにしました。以前ご紹介した「DivX」や「XviD」と「DivFix」、そして「EO Video」や今回ご紹介する「GSpot」があれば、AVIファイルへの備えは万全です。

 そもそもAVI形式が他のファイル形式と根本的に違うのは、それが動画と音源の入れ物の規格であり、中身は様々な圧縮形式が使われています。先のDivX形式やXviD形式はもっとも普及しているコーデックというだけで、この2つがすべてではありません。したがって、AVIファイルを再生する場合、そこで使われているコーデックをまずコンピュータへインストールしておく必要があるわけです。つまり、再生できないAVIファイルは必ずしも壊れておらず、コーデックさえあれば再生できる可能性が多々あります。

 そして、再生できないAVIファイルを調べる時、いよいよ活躍するのは「GSpot」です。他のソフトと違って、もしファイルの中身が本当にAVI形式であれば、たとえコーデックはインストールされていない状態でも「GSpot」なら開けます(完全なAVIファイルでさえコーデックがインストールされていないと一般のソフトは不良ファイルと見なすのが普通です)。また、再生できるAVIファイルも、不良箇所をチェックするなら「GSpot」は大いに役立ってくれることでしょう。

 というわけで、次の「DOWNLOAD」ボタンをクリックすると現時点での最新バージョンであるv2.52beta01をダウンロードしていただけますが、あくまでも読者の便宜を図るためのものですから、今後の更新バージョンや詳細に関しては「GSpotのホームページ」を参照して下さい。また、同じ理由で内容に関する不都合があった場合も当「ハリウッド最前線」では責任を取りかねることをお断りしておきます。

GSpot252b01 GSpotのダウンロードはここをクリックして下さい ファイルのサイズは182KB(186,567バイト)です。

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図2

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図3
 ダウンロードが終わったら、さっそくインストールしてみましょう。そして、インストールした「GSpot」を起動すると冒頭の「図1」のようなブランク状態になり、ここへ調べたいファイルを読み込む(開く)と、標準的なDivX形式やXviD形式の場合は右の「図2」のようにデータが表示されるわけです。

 表示されるデータの内容は(それぞれ黒枠で囲まれた)8つのセクションへ分かれており、左上から「File」、「Container」、「User Data/Metadata」、「Audio」、右上から「Video」、「t(Time)」、「d(Space)」、一番下が「Proposed Codec Solutions and Tests」の順に並んでいます。ブランク状態のまま黒い部分は該当するデータが元のファイルへ含まれていないだけで、壊れているというわけではありません。

 一般のユーザーが使うのであれば、これら8つのうち右上の「Video」セクションでDivX形式やXviD形式のバージョンを確認する以外は、もしファイルに欠けている部分があるとしたら左上から2番目の「Container」セクションでそれを確かめるぐらいしか役立たないでしょう。しかし、こうした基本的なコーデックをインストールしてある形式のファイルはわざわざ「GSpot」で調べなくても見ることが出来ます

 その点、DivX形式やXviD形式以外のファイルは、そのコーデックが必要となる(つまり映像か音の出ないAVIファイルと遭遇する)まで、わざわざインストールしておく価値はありません。そして、必要となった時いよいよ「GSpot」が役立ってくれるのです。たとえば、映像か音の出ないAVIファイルと遭遇し、それを「GSpot」で開いたら「図3」のようになったとします(8つのうち最初の3セクションを除いてブランク状態なのは、DivX形式やXviD形式以外のコーデックならごく普通です)。そこで、まず図3の赤でハイライトされた「Container」セクションの部分を見て下さい。

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図4

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図5
 そうすると、中身が壊れていないAVI形式のファイルである限り、「Container」セクションは「図4」や「図5」のような表示となるはずです( 壊れていたり未知のファイルであれば「Container」セクションには「File Type」と「Mime Type」がそれぞれ「Unknown」と表示されます)。

 図4の場合はコーデックが「Ogg Vorbis」、「MP3」や「AAC」をはじめとする音楽を録音するためのデジタル・オーディオ形式のひとつであり、そのホームページ「Ogg Vorbis」からコーデックさえダウンロードすればファイルの再生は可能です。同じく、図5の場合なら使われているコーデックが「Matroska(MKV)」という意味ですから、ダウンロードはそのホームページ「Matroska Packs-Download Page(日本語)」へ行けばいいわけですが、そこからは便利なことに他のひととおりのコーデック・ページへリンクされています。

 とにかく、「GSpot」の「Container」セクションへコーデック名が表示されたら、それを見つけてインストールするとファイルの再生は可能です。捜すのも簡単で、「Yahoo」や「Google」などの検索エンジンに「Container」セクションへ表示されたコーデック名を入れれば、ほぼ一発でしょう。それが面倒なら、先の「Matroska Packs-Download Page」からリンクを辿るのも一つの手です。

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図6
 以上でコーデックの種類を調べる方法はおわかりいただけたと思います。そこで最後に「GSpot」そのものの機能をもう少し説明しておくと、まずこのソフトが扱えるファイル形式はAVIと限らず、MPG(MPEG)やVODなど他のメディア・ファイルをサポートしており、それらの中身を調べたい時も便利です。また、中身のデータばかりでなく、このソフトでじっさいにファイル(つまり画像や音)を再生することが出来ます。

 「図6」は一番下の「Proposed Codec Solutions and Tests」セクション左側へ並ぶ3列目のボタン」(赤くハイライトされた部分)を順にクリックした状態です。まずボタン「1」をクリックすることでファイルの中身がチェックされ、最初はブランクだった右隣のボックスに結果(Proposed Codec Solutions)が表示されます。表示された時点でボタン「2」をクリックすれば、左側の元「Container」と「User Data/Metadata」セクションが図6のとおり「Test」セクションへ入れ替わり、ファイルの中身はそこに再生される仕組みです。

 いたってシンプルな構造ですが、使ってみると思いのほか重宝するソフトなので、ぜひお試し下さい!


お断り 

これらのテクニックを試される場合は、みなさん個人の責任でお願いします。何かの手違いからWindowsが動かなくなったとしても責任は取りかねますので、その点をご了承ください。

横井康和        


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