どのWindows Vistaを?
いよいよ先月末(1月30日)に発売されたWindows Vistaは、HomeとProfessionalに分かれていたXPより更に細分化され、同じHomeでも基本機能のみのHome Basicと、そこへエンターテインメント機能などを加えた家庭向けのHome Premium、そしてProfessionalに該当するのが仕事向けのBusinessと、そこへエンターテインメント機能などを加えた家庭と仕事向けのUltimate、以上4種類に分かれています。今回は、これからWindows Vistaを導入しようという方のためにエディションごとの違いなどをご紹介しましょう。
Home
Basic
Home
Premium
Business
Ultimateまず、これら4つのエディションで機能がどう変わるか、次の表をご覧ください。
■Windows Vista エディションごとの主な機能比較表
主な機能 Home Basic
(基本機能のみ利
用したい方向け)Home Premium
(仕事に利用
したい方向け)Business
(仕事に利用
したい方向け)Ultimate
(家庭でも仕事でも
利用したい方向け)基本機能の進化 Windows Super Fetch
ロープライオリティI/O● ● ● ● Windows Defender
Windowsファイアウォール● ● ● ● 美しさと操作性 クイック検索
Internet Explorer7● ● ● ● Windows Aero ※
Windowsフリップ3Dナビゲーション● ● ● デジタル
エンターテイメントWindows Media Center ● ● Windows Media Center Extender ● ● HD対応Windowsムービーメーカー ● ● Windows DVDメーカー ● ● ビジネス環境の
強化Windowsモビリティセンター
タブレットPCサポート● ● ● Windowsミーティングスペース ▲表示のみ ● ● ● リモートデスクトップ ▲ホスト不可 ▲ホスト不可 ● ● ドメインの参加 ● ● 進化したバックアップ機能 ● ● Ultimate
だけの新機能Windows BitLockerドライブ暗号化 ● Windows Ultimate Extras ● 36のユーザーインターフェース言語
(多言語サポート)●
※ Windows Aeroの動作には動作環境を満たすハードウェアが必要です。
この比較表の中でWindows Aeroというのは、以前「Windows Vistaの予行演習」でもご紹介しているデスクトップ上へ開いた複数のウィンドウを重ねて3D表示する機能です。その他の機能は基本的に以前からあるものを強化させただけで、これといって目新しい変化があるわけではありません。つまり、OS全体として進化した程度に留まっています。たとえば、XPのユーザーがVistaへアップグレードする場合の対応パターンを見れば、よくおわかりでしょう。■アップグレード対応表
アップグレード対象製品 Windows Vista
Home BasicWindows Vista
Home PremiumWindows Vista
BusinessWindows Vista
UltimateWindows XP Home Edition(SP2) ● ● ● ● Windows XP Professional(SP2) ▲ ▲ ● ● Windows XP MCE(SP2) ▲ ● ▲ ● Windows XP Tablet Edition(SP2) ▲ ▲ ● ● Windows XP Professional x64 ▲ ▲ ▲ ▲ Windows 2000 Professional(SP4) ▲ ▲ ▲ ▲ Windows Vista Home Basic ● ● ● Windows Vista Home Premium ▲ ▲ ● Windows Vista Business ▲ ▲ ● Windows Vista Ultimate ▲ ▲ ▲
●:アップグレード、新規インストール(クリーンインストール)両方可能
▲:新規インストール(クリーンインストール)のみ可能XP ProfessionalからのアップグレードはVista BusinessかVista Ultimateでしか行えず、XP Professionalの下位であるXP Homeに該当するVista Home (BasicかPremium)だと新規インストール(クリーンインストール)しか出来ません。これはXPからVistaへの機能的な継続を意味しており、裏返せば焦ってVistaを導入する必然性がさほどないということになります。そもそもVistaの発売が予定より遅れたのは、開発で手間取ったばかりでなく、Microsoft社の押し付けるバージョンアップ・サイクルへ一般ユーザーが不満を示した結果でもあるのです。
いっぽう、上級ユーザーは当然ながら新しいものを試さないと気が済まず、そういうかたには上記の表が選択の基準としていっそう役立つのではないかと思います。とりあえず一般ユーザーも含め、以上を参考に、ご自分の使用目的と合ったエディションをお選び下さい。
なお、今回のバージョンアップがいつもと違うのは、Windowsだけでなく同時にMicrosoft社の双璧を成すOfficeがバージョンアップされたことです。Windows Vista同様、Office 2007もエディションはOffice Personal、 Office Standard、Office Professional、Office Professional Plus、Office Enterprise、Office Ultimateと細かく分かれている他、いままでどおりWordやExcelなどのOfficeを構成する各ソフトを個別に購入することが出来ます。
Office
Ultimate 2007Ofiice 2007の詳細はMicrosoft社のオフィシャル・サイトをご覧いただくとして、今回はWindowsとOfficeの同時バージョンアップで、Microsoft社の製品群は大幅に整理されました。そして、これといった目新しい変化がないだけWindows 95の劇的な発表時と比べて地味だったXP発表時より、ユーザーはもっと冷めた反応を示すでしょう。
ただ、XPの販売実績が95と比較できないぐらい伸びたのは事実であり、皆さんがこのコラムを読まれる頃、たぶん日本のマスコミはVistaの売れ行きがMicrosoft社の思惑どおりでないと報道しているかもしれない反面、ビル・ゲイツはもっとしたたかな男です。したがって、そういった囲りの雑音へは耳を貸さず、自分が使いやすいコンピュータ環境を整えることが先決では!?
お断りこれらのテクニックを試される場合は、みなさん個人の責任でお願いします。何かの手違いからWindowsが動かなくなったとしても責任は取りかねます。また、読者からのご質問、ご相談へは、当「ハリウッド最前線・サイバークラブ」の会員の皆様を除いてお応えいたしかねますので、それらの点をご了承ください。 横井康和 |