L・Aで朝食を


 日本からロサンゼルスへ来られた方が、いざアメリカン・ブレックファーストを食べようという時、ほとんどの場合ホテルで済ましてしまわれるのではないでしょうか? しかし、せっかくの朝食をホテルというのも、ちょっと味気ないような気がします。そこで今回は、現地の人間が足を運ぶ朝食の美味しい店を3軒ご紹介しましょう(便宜上、料理の写真へ番号を付けてありますが、これらの番号は店と無関係です)。

Blu Jam Café
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■Blu Jam Café

blujamcafe.com
7371 Melrose Ave., Los Angeles
323-951-9191

 まずメルローズ通りの「Blu Jam Café」、ここはもともと「Rosso E Nero」というイタリアン・レストランで兄弟2人がやってました。そのうち店を半分に区切って右半分では彼らの妹がブティックを始め、しばらくして兄弟は別の場所へ新しいレストランを開き、このレストランを手放しました。次の店は閑古鳥が鳴いていて間もなく閉店、そこへ新しくオープンしたBlu Jam Caféも、最初はスローでしたが、今や長蛇の列ができる流行り様です。

 最近はメルローズ店のブティックだった半分もBlu Jam Caféとなっている他、シャーマン・オークスやウッドランドヒルズへ2号店、3号店を出しています。また、東京店も出す準備中だとか・・・・・・メルローズ店の場合、並ぶのが嫌な方は8時の開店と同時に行くのが確実です。その時間帯は地元の人間ばかりですが、昼前になると観光客を交えた列へ並ばなくてはなりません。また、営業時間が夕方の4時までと、完全に朝食と昼食へターゲットを絞っています。

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#1
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#3
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#4
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#5

 写真は左から「ブルー・ジャム・ベネディクト(#1)」、「ブレックファスト・ケサディアス(#2)」、「フレンチ・トースト(#3)」、「ブレックファースト・カルボナーラ(#4)」、「レモン・クレープ(#5)」。この店のエッグ・ベネディクトは、それだけで何種類かあるのです。

BLD
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■BLD

bldrestaurant.com
7450 Beverly Blvd., Los Angeles
323-930-9744

 メルローズ通りより1本南の大通りであるビバリー通りの「BLD」も、Blu Jam Café同様、以前からレストランがあった場所へ開店した店です。もともと「Red」というレストランで、客層はレオナルド・ディカプリオらセレブが多く、それにつられて来る一般客も少なくありませんでした。BLDとなってからは、オーナー・シェフのニール・フレイザーとマネージメントを担当するアミー・ノル・フレイザーがシンプルかつハイ・クオリティーなメニューの提供を目指し、より普通の好ましい店に生まれ変わっています。

 BLDという吊前は「朝食(Breakfast)」、「昼食(Lunch)」、「夕食(Dinner)」の頭文字を並べたもので、そこへもフレイザー夫妻のこだわりが表われており、こちらは夕食も出しているのでBlu Jam Caféと違って午後11時まで営業しています。ブルーベリー・パンケーキ、何種類かのエッグ・ベネディクト、オムレツ、フレンチ・トーストといった朝食メニューからサラダやハンバーガーを含むサンドイッチ類、そして様々なアペタイザーからメイン・ディッシュまで、家庭的で豊富なメニューがこの店の売りです。

 なお、ニール・フレイザーはブラボーTVの人気番組「トップ・シェフ・マスター」や、フード・ネットワークの「アイアン・シェフ・アメリカ」での優勝で知られるロサンゼルス有数のシェフです。現在も「Redbird」やダウンタウンの「Vibiana」から、BLDのLAX(ロサンゼルス国際空港)への出店やファーマーズ・マーケットのホットドッグ・プロジェクト「Fritzi Dog」などで夫婦ともども忙しく走り回っています。

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#6
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#9
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#10

 写真は左から「ブルーベリー・パンケーキ(#6)」、「ステーキ・ベネディクト(#7)」、「鴨のコンフィ(#8)」、「ロブスター・ロール(#9)」、「ストロベリー・フレンチ・トースト(#10)」。

Astro Burger
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■Astro Burger

7475 Santa Monica Blvd., West Hollywood
323-874-8041

 40年前に筆者がロサンゼルスへ引っ越した頃は、イングルウッド、ウェスト・ハリウッド、ハリウッドと市内で3軒の「Astro Burger」があり、どの店も似通ったメニューと味でした。ただ、経営は独立しているみたいで、その後、店毎でメニューが変わり、たとえばパラマウント・スタジオの隣のハリウッド店では今や他の店にないピッツァまであります。もっとも、各種ハンバーガーと一般的なアメリカン・ブレックファーストが基本という点はどの店も同じです。

 今回、取り上げたウェスト・ハリウッド店の場合、第77回アカデミーで主演女優賞(「ミリオン・ダラー・ベイビー」)を取ったヒラリー・スワンクが、授賞式の帰りに立ち寄ったのがここでした。ウルフギャング・パックの作った豪華なコース料理より、彼女はここのチーズバーガーのほうが良かったのだとか・・・・・・スワンクはともあれ、手軽な値段で満足のゆくアメリカン・ブレックファーストが食べたい時、この店は外せません。

 卵がいくつで焼き方はサニー・サイド・アップかオーバー・イーズ、サイドがベーコンかハムかソーセージ、パンはホワイトか全麦などと注文をつけるだけで楽しくなるのがアメリカン・ブレックファーストです。あるいはオムレツやスクランブル・エッグもいろんな種類がある代わり、エッグ・ベネディクトのようなお洒落なメニューはAstro Burgerにありません。いっぽう、パンケーキからエッグ・マフィンその他のブレックファースト・サンドイッチやブレックファースト・ブリート、そしてケサディアスからギリシャのサンドイッチ、ギロまで、先の2店とかなりラインアップが違っています。

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 写真は左から「エッグ・サンドイッチ(#11)」、「アメリカン・ブレックファースト(#12)」、「ベーコン・エッグ・マフィン(#13)」、「チキン・ケサディアス(#14)」、「メキシカン・スクランブル(#15)」。ふつうアメリカン・ブレックファーストは卵の焼き方を指定するわけですが、両面を軽く焼く「オーバー・イーズ」は日本であまり見かけません。

 以上の3軒は朝の7時(「Astro Burger」)とか8時(「Blu Jam Café」と「BLD」)から開いているわけですが、もっと早くから朝食を済ませたいという方へは24時間営業のカフェテリアもあります。その場合、駐車場にパトカーが停まっている店ほど信頼して大丈夫でしょう。ちょうど、日本だとタクシーの運転手が立ち寄るラーメン屋みたいなものです。たとえば、ウェスト・ハリウッドならラシエネガ通りの「Norms」あたりは朝食のメニューも多く、手軽に立ち寄れます。

横 井 康 和      


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