ロティサリー・チキンを食べるなら・・・


 前回は京都でロティサリー・チキンを食べさせる店をご紹介した以上、やはりロサンゼルスの店も取り上げないと片手落ちでしょう。京都と違ってロサンゼルスの場合、ロティサリー・チキンの店がそれこそ腐るほどある中で、今回はちょっと毛色の変わった3軒を選んでみました(便宜上、料理の写真へ番号を付けてありますが、これらの番号は店と無関係です)。

Rustic Canyon
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■Rustic Canyon

www.rusticcanyonwinebar.com
1119 Wilshire Blvd., Santa Monica
310-393-7050

 サンタモニカのウィルシャー通り沿いにある「Rustic Canyon」は、ロティサリー・チキンが売り物の店というわけではなく、あくまでもワイン・バーです。料理が美味しいことで知られており、メニューの中にはロースト・チキン、つまりロティサリー・チキンもあって、これが侮(あなど)れません。

 ちょうど10年前(2006年)の12月、Rustic Canyonは創設者であるジョシュ・ローブがサンタモニカの山々で囲まれたラスティック渓谷の自宅の美しいトゥリーハウスへ人々を招き、開催した一連のディナーから発展してオープンしました。それは、毎月、上質な料理やワインを愛する人たちが、ろうそくに照らされた長いテーブルの周りへ集まって、食べる喜びを共有するというものです。

 Rustic Canyonはローブ家の最初のレストランであり、その後「Huckleberry Bakery & Cafe」や「Sweet Rose Creamery」などの姉妹店を同じサンタモニカでオープンし、チェーン展開しています。このグループが目指しているのは、季節を取り入れ、伝統的な職人技を使って可能な限り自家製造し、地元の農家や販売業者から持続できる方法で最高品質の食材を調達することです。各レストランが、すべての客へ家庭のように感じ、満足してもらい、栄養を与え、刺激を受けてもらえるよう心掛けているというのが、よくわかります。

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#1
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#2
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#3
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#4
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#5

 写真は左から「ロースト・チキン(#1)」、「ベイクド・チーズ・パフ(#2)」、「ポテト・コロッケ(#3)」、「クラムとマッセルのポゾレ(#4)」、「バークシャー・ポーク・ベリー(#5)」。

Superba Food + Bread
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■Superba Food + Bread

www.superbafoodandbread.com
1900 S. Lincoln Blvd., Venice
310-907-5075

 「Superba Food + Bread」はベニスとエル・セグンドにあり、名前のとおりレストランばかりでなくベーカリーでもあります。そしてRustic Canyon同様、ロティサリー・チキンが売り物の店ではありません。地域社会の中から生まれ、人々が健康な生活を送るのをサポートすることを目指すこの店は、素晴らしい食事を求める人々へそれを届けたい・・・・・・そう願っているということです。

 彼らは新しい試みを行い、時にはルールを破ります。新しいメニューを作り出す場合、それが可能であるばかりでなく、刺激的で快適で素晴らしいものであるよう最善を尽くす彼らの姿勢は、ある種Rustic Canyonと似通っています。サンタモニカやベニスという場所柄も関係しているのでしょう。

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#6
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#7
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#8
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#9
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#10

 写真は左から「ブレッド・ロティサリー・チキン(#6)」、「イチジクとプロシュート(#7)」、「現代風にアレンジしたマツボール・スープ(#8)」、「サラダ(#9)」、「プライムリブのオープンサンド(#10)」。プライムリブのオープンサンドはホースラディッシュとアスパラガスが効いています。

Al Wazir Chicken
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■Al Wazir Chicken

alwazirchicken.com
6051 Hollywood Blvd., Los Angeles
323-856-0660

 先の2店と比べて「Al Wazir Chicken」はハリウッド通りのダウンタウン寄りで、かなり環境が違います。それでも1989年以来、健康な食事と健康な生活を謳った低脂肪の地中海料理を、地元ハリウッドの人々へ提供してきました。中近東で育ったアル・ワジールは、いつも母親から新鮮な肉と新鮮な野菜がおいてある市場で買った食材と、健康的でバランスの取れた食事をうるさく言われてきました。その言いつけを彼は今、Al Wazir Chickenで守り続けているのです。

 この店のチキンは自然のスパイスを使ってマリネし、ロティサリー・オーブンで時間をかけて焼き上げています(ロティサリー・オーブンがあるのはキッチンの奥で、店内のオープン・キッチンへはカバブを焼く機械しか並んでいません)。外側がクリスピーで内側はジューシーなチキンを、新鮮なガーリック・ペーストとピタ・ブレッドでいただきます。

 Al Wazir Chickenが出しているのはロティサリー・チキンだけでなく、チキン・カバブやカフタ・カバブといったカバブ類、そしてファラフェルも、ここの人気メニューです(カフタ・カバブとはラムのミンチの串焼き)。一通りのメニューがピタ・ブレッドのサンドイッチでも注文できる他、ピタ・ブレッドを好きでない方はライスを選択することもできます。基本的に店の特徴として自然志向が、ここAl Wazir Chickenばかりでなく、今回ご紹介した3店の共通点です。

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#11
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#14
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#15

 写真は左から「ハーフ・チキン(#11)」、「チキン・カバブ・プレート(#12)」、「ファラフェル(#13)」、「カフタ・カバブ・プレート(#14)」、「カバブを焼いているところ(#15)」。

 今回は、京都のロティサリー・チキンの店をご紹介した時と違って、チキンを回しながらローストする機械(ロティサリー・オーブン)をフィーチャーした店は意識的に除外しましたが、もちろんそういう店も数多くあります。そして、「Pollo a La Brasa Western」や「California Chicken Cafe」などを見ればおわかりのとおり、機械の規模が日本の比ではありません。それらの店もまたの機会にご紹介するつもりです。

横 井 康 和      


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