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(2017年10月)          




「アバター」続編が始動

2009年のヒット作で、現在もなお世界興行の歴代ヒット第1位の座を守るジェームズ・キャメロン監督作「アバター」の続編4本が、いよいよ始動! 今回、発表されたのは本作に出演する新キャスト7名(写真)で、彼らが演じるのは「アバター・プロジェクト」へ参加した若き元海兵隊員のジェイク・サリー(サム・ワーシントン)と地球から5光年離れたパンドラの先住民ナヴィの女性ネイティリ(ゾーイ・サルダナ)の間に生まれた子どもたちと、続編で初登場するメトカイナ族のティーンエイジャーです。まず、サリー家の長男をジェイミー・フラッターズ、次男をブリテン・ダルトン、長女で末っ子をトリニティ・ブリスが、そしてベイリー・バス、フィリップ・ジョルジョ、デュアン・エヴァンス・Jrがメトカイナ族に扮する他、地球よりパンドラで過ごすのを好む人間をジャック・チャンピオンが演じます。キャストたちはインスピレーションを求めてパンドラ(ディズニーのアニマル・キングダムのワールド・オブ・アバター)を探検し、先月(9月)25日、カリフォルニア州マンハッタン・ビーチで続編4本の同時撮影がスタートしました。続編の製作は2010年から公表されていながら延期が続き、公開日予定日も発表されながらなかなか本決定までは至らずという状況が、これでようやくというところです。なお、4本分をまとめて撮影するため、クランクアップの予定時期は不明だとか。かつて、ピーター・ジャクソン監督が「ロード・オブ・ザ・リング」3部作をまとめて撮影したことはあるものの、映画シリーズ4本がまとめて製作されるのは前代未聞で、総製作費も10億ドル(約1,100億円)を超えるとみられています。全米公開は「アバター2」が2020年12月18日、「アバター3」が2021年12月17日、「アバター4」が2024年12月20日、「アバター5」が2025年12月19日の予定です。



フォイの新作

キャストを刷新して製作するハリウッド版「ドラゴン・タトゥーの女」の続編「ザ・ガール・イン・ザ・スパイダーズ・ウェブ」で、英女優クレア・フォイ(写真)がヒロインのリスベット・サランデル役の筆頭候補へ挙がっています。本作はベストセラー小説「ミレニアム・シリーズ」の第4弾「蜘蛛の巣を払う女」の映画化であり、バラエティー誌によれば、製作を手がけるソニー・ピクチャーズが、まもなくフォイへサランデル役をオファーする見込みだそうです。一方、ユニバーサル・ピクチャーズが同時期に公開を予定している「ファーストマン」のデイミアン・チャゼル監督も、フォイと面会しているといいます。ネットフリックスのオリジナル・ドラマ「ザ・クラウン」でエリザベス女王を演じたフォイは、第74回ゴールデングローブ賞TVシリーズ部門の主演女優賞(ドラマ)を受賞した新進女優で、これまで「ミスティック・アイズ」や「ミス・シェパードをお手本に」などの映画へ出演してきました。粗暴な凄腕ハッカーのサランデル役といえば、スウェーデン版「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」に始まる3部作のノオミ・ラパスが世界的にブレイクするきっかけをつかみ、ハリウッド版「ドラゴン・タトゥーの女」のルーニー・マーラは第84回アカデミー賞で主演女優賞へノミネートされています。原作小説は、初期3部作の作者であるスティーグ・ラーソンが2004年に死去した後、スウェーデン人作家ダビド・ラーゲルクランツが替わって執筆を続けました。映画の脚本は、スティーブン・ナイト(「マリアンヌ」)とジェイ・バス(「モンスターズ 新種襲来」)が原作者のラーゲルクランツと共同で執筆し、監督はフェデ・アルバレス(「ドント・ブリーズ」)が務めます。前作の監督デビッド・フィンチャーは製作総指揮として参加し、2018年10月19日全米公開の予定です。



誰が監督を?

スペクター(2015年)」を最後にジェームズ・ボンド役から降板するといわれていたダニエル・クレイグ(写真)ながら、結局007シリーズの最新作で再び主演を務めることが決まりました。彼は監督候補へ「ブレードランナー2049」のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督を薦めているとか。先日、そのヴィルヌーヴ監督が同シリーズのプロデューサー、バーバラ・ブロッコリとマイケル・G・ウィルソンとの会合を済ませたり、さらにクレイグとも話し合いをするなど、着々と動き出しているようです。ヴィルヌーヴ監督以外には、今年のアカデミー作品賞へノミネートされた「最後の追跡(2016年)」のデヴィッド・マッケンジー監督、そしてジャック・オコンネル主演作「ベルファスト71(2014年)」のヤン・ドマンジュ監督などが候補として挙がっています。一方、同シリーズの配給権は前作「スペクター」を最後にソニー・ピクチャーズとの契約が切れており、現在、同スタジオはワーナーブラザーズ、ユニバーサル・ピクチャーズ、20世紀フォックスなどの大手スタジオと争奪戦を繰り広げており、そこへ新たにアップルとアマゾンが名乗りを上げました。両社ともこれまで第1候補であったワーナーブラザーズと同等、あるいはそれ以上の買収額を用意しているとのことです。アマゾンは同シリーズを、かつてのマーベル、ピクサー、ルーカス・フィルムなどの買収劇同様、経営を一変させるものと見立てており、対するアップルは、もし007シリーズの全ての所有権を獲得した場合、TV版007シリーズなどへの展開も検討する可能性があるといいます。ちなみに007シリーズの配給権の価値は、およそ20億ドル(約2,200億円)から50億ドル(約5,500億円)と見積もられているだけに、はたしてどの会社が配給権を獲得するのか興味津々です。また、はたして監督は誰に決まるのでしょうか?



コティヤールは語る

第69回カンヌ国際映画祭コンペティション部門へ正式出品され、絶賛された「愛を綴る女(2016年)」、その熱烈な愛の手紙を綴る情熱的なヒロイン、ガブリエル役を演じているのはマリオン・コティヤール(写真)です。コティヤールといえば、「エディット・ピアフ〜愛の讃歌(2007年)」でアカデミー主演女優賞を受賞した他、クリストファー・ノーラン監督作「インセプション(2010年)」やロバート・ゼメキスの「マリアンヌ(2016年)」、そしてグザヴィエ・ドランの「たかが、世界の終わり(2016年)」などで知られています。「愛を綴る女」をひと言で語るとすれば、「自分らしく生きられない世界で暮らす女性が、無言で反乱を起こす。それがこの物語ね」とコティヤールは言います。「親が押しこもうとする箱へ彼女は収まらない。私がこのストーリーで興味を惹かれたのは、人は自分自身でいることを周りから否定されつづけると、気が狂ってしまいかねないというところなの」だそうです。主人公のガブリエルは、恋に破れ、親の決めた相手と結婚するものの、流産が原因の病いでアルプスの療養所で過ごすこととなり、そこで負傷兵と運命的な恋に落ちます。「感情の高ぶりが大きな役だったわ。ガブリエルという女性は情熱的な女性だから、どこで暮らしても自由と生命力が満ち溢れている。威圧的な親へ抗いながら、愛してもいない男性との結婚を承諾するの。結婚を親から離れて人生を探求していくチャンスだと考えたのね。彼女は親から『狂っている、普通の人間じゃない』と見なされ、人格を否定されている。奔放な女性だけど、閉塞感にさいなまれているのよ」と、演じた女性へ寄り添っているのです。遅ればせながら日本でも今月(10月)7日に公開される「愛を綴る女」、映画ファンはぜひお見逃しなく。



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(2017年10月)

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