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(2017年12月)          




帰ってくるデッドプール

1991年にコミックへ初登場以来、ファンが長年待ち続けた「デットプール」が去年(2016年)公開されるや、R指定にもかかわらず3週間連続全米チャート1位というヒットを収めました。「デッドプール」は、特殊部隊の精鋭だったウェイド・ウィルソン(ライアン・レイノルズ)が意思と反して不死身の肉体を持ち、自ら作ったユニフォームでデッドプールとなって戦う物語です。能天気で無責任、口から飛び出すのは毒舌ばかり、子どものようなギャグやヒーローらしからぬ下ネタが大好きで、すぐブチ切れるいっぽう、美女には弱く、ハローキティ・グッズを愛用するお茶目な一面もあります。いま公開されている「デッドプールと油彩画法を学ぶ絵画教室」と銘打った予告編では、デッドプールが絵画教室を開催したのかと思いきや、どうやら1990年代前半の人気TV番組「ボブの絵画教室」のパロディーのようです。デッドプールは画家ボブ・ロスのトレードマークともいえる白シャツへジーンズとアフロヘアーまで真似て、「しっかりしごいた」筆で、「おしっこ色」から描き始めると、瞬く間に芸術的な絵がキャンバスへ浮かび上がり、さらに「『白い粉(コカイン)』の中を転げまわりたい」などと展開・・・・・・すると突如、ウィルソンの激しいアクション・シーンや仲間たちが映し出されるものの、たった数秒で終わり、続いて先ほどとは違った絵が完成しています。そして、完成したその絵(写真)は、アメリカ人画家ノーマン・ロックウェルの有名な感謝祭の風景のパロディーという次第。今回も遊び心が満載のようです。監督は「ジョン・ウィック(2014年)」で共同監督を務めたデヴィッド・リーチ、レイノルズが引き続きデッドプールを演じる他、プロデューサーも兼任します。日米とも公開は来年(2018年)6月の予定です。



チャステインの新作

「ソーシャル・ネットワーク(2010年)」でアカデミー脚色賞を受賞したアーロン・ソーキンの監督デビュー作「モリーズ・ゲーム(写真)」が、今月25日のクリスマスに全米公開されます。主演はジェシカ・チャステイン、彼女が演じるのは26歳でトップ・アスリートからスター俳優が集う高額ポーカーの経営者となったモリー・ブルームです。モーグルのオリンピック候補だったブルームは、選考をかけた大会で怪我を負い、アスリートの道を諦めます。ハーバード大学へ進学するまでの1年をロサンゼルスで気ままに過ごすうち、勤めていた会社のボスからアンダーグラウンドなポーカー・ゲームのアシスタントを頼まれ、そこではハリウッド・スターや大物プロデューサー、大企業の経営者らが法外な掛け金でポーカーへ講じていました。やがて、ブルームはその才覚で26歳にして自らのゲームルームを開設するのですが、10年後FBIに逮捕され、彼女を担当した弁護士は、打合せを重ねるうち、目の前の女性がタブロイド紙へ書きたてられるような人物でないことを知るのです。レオナルド・ディカプリオ、トビー・マグワイア、ベン・アフレックをはじめとするトップスターが顧客リストへ名を連ねていたことからニュースとなった、招待された限られた者のみが参加できるエクスクルーシブルなポーカー・ルーム。原作は2014年に刊行されベストセラーとなったブルームの回想録で、アーロン・ソーキンが独自の視点で脚本を書き、初監督へ挑んでいます。「女神の見えざる手(2016年)」に続き、本作では並外れた才覚と情熱を仕事へそそぐ女性を演じ、オスカー候補との呼び声も高いチャステインの他、ブルームの弁護士役をイドリス・エルバ、父親役をケヴィン・コスナーが演じ、日本での公開は来年(2018年)5月に決定しています。



芸術のために死す

なぜ、1997年のメガ・ヒット作「タイタニック(写真)」でジャック(レオナルド・ディカプリオ)が死ななくてはいけなかったのか? その理由を、ジェームズ・キャメロン監督が「ヴァニティ・フェア誌」のインタビューで語りました。豪華客船タイタニックの海難事故をジャックとローズ(ケイト・ウィンスレット)のロマンスとオーバーラップさせて描いた本作のファンの間では、過去20年間、2人が海へ放り出されたラスト・シーンが議論され続けています。ジャックはローズを助けるため自ら犠牲となりますが、そもそも彼女が乗っていたドアにはジャックが乗るスペースもあったのではないかという点です。キャメロン監督曰(いわ)く、「答はとてもシンプルだよ。なぜなら脚本の147頁へ『ジャックが死ぬ』と書かれていたからさ。彼女を支えるには十分な大きさで、彼を支えるのには不十分だったわけだが、もちろん本当は芸術的な理由からなんだ」とか。「こんな議論を公開から20年後もしているなんてバカげている。まったく!」とかなりうんざりした様子を見せつつも、「しかし、それが意味しているのは、この映画の観客がジャックの死を見て心を引き裂かれるほど、彼をとても愛すべき存在として描けたことさ」と、ある意味満足もしているようです。そして、「もし彼が生き延びていたら、映画のエンディングは無意味なものとなっただろう。これは死と別れについての映画なんだ。彼が死ななくては終わらない。そうならなければ、煙突が彼の頭上へ落ちてきて沈んでいたよ。つまり芸術なんだ。物事は芸術的な理由で起こる、物理的な理由でなくてね」と続けています。ちなみに、(ローズ役の)ウィンスレットは昨年、ABCの人気トーク番組「ジミー・キンメル・ライブ!」へ出演し、「実際、彼(ジャック)もあのドアの上に乗れたと思うのよね」と打ち明けました。



ローレンスの破局

ジェニファー・ローレンス(写真左)が、約1年交際していたダーレン・アロノフスキー(写真右)監督と破局したようです。27歳のローレンスと48歳のアロノフスキーは、そもそもミステリー作「マザー!(2017年)」を通じて知り合いました。郊外の一軒家で暮らす夫婦の穏やかな生活が、不審な訪問者たちによって一変するさまを描いたこのアロノフスキー監督作へは、ローレンスの他、ハビエル・バルデム、ミシェル・ファイファー、エド・ハリスらが共演しています。ローレンスは先日、「ハリウッド・レポーター誌」のインタビューでアロノフスキー監督との関係を、「リハーサルが始まる1年前だったけれど、彼から企画の説明を受けた時、恋に落ちてしまったの。でも、彼はプロフェッショナルへ徹していたから、私にとってさらに複雑だったわ。まず友だちという関係でつき合い始めたけれど、私がどう思っているか彼は知っていながら、彼が私をどう思っているか決して伝えてこなかった。最初はただの友人関係で、映画がクランクインすると仕事上のパートナーとなったのよ。そうして映画が完成してから、私、もう我慢できなくて『あなたは私の恋人よ!』って感じ」と告白しています。なお、ローレンスはこれまでも「X-MEN・シリーズ」の共演者ニコラス・ホルトや、ロックバンド「コールドプレイ」のクリス・マーティンと交際しており、いっぽうでアロノフスキーは、婚約していた女優レイチェル・ワイズと2010年に破局、2人の間には11歳の息子ヘンリーがいます(現在ワイズは「007シリーズ」のダニエル・クレイグと結婚)。とどのつまり、先の「タイタニック」のジェームズ・キャメロン監督と主演のケイト・ウィンスレットのケースも含めて、映画監督と主演女優がくっついたり離れたりするのはハリウッドでよくある話といえそうですね。



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(2017年12月)

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