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(2016年9月)          




生年月日の削除

TVドラマ「ビバリーヒルズ高校白書」でアンドレア役を演じ、現在は米国映画俳優組合およびTVラジオ芸能人連盟(SAG-AFTRA)の会長を務めるガブリエル・カーテリス(写真)が、ハリウッドの年齢差別を排除するために立ち上がりました。彼女は、IMDbなど俳優の情報を掲載しているキャスティングのウェブサイトから年齢、生年月日を削除する新たな法案(AB1687)を施行させようとしているのです。ハリウッドのキャスティング方法にはびこる年齢差別へストップをかける時が来たと考えるカーテリス、「この問題は俳優全員へ当てはまるものですが、中でも女性にとって深刻だわ。キャラクターは俳優が創り上げるもので、錯覚を用いることも多い。それが演技なのよ」と言っています。彼女自身29歳の時、「ビバリーヒルズ高校白書」で16歳の役を射止めているものの、現在のようにデジタルのデータベースがあればオーディションさえ受けることは出来なかっただろうとのことです。キャスティングする側へ差別的意識がなかろうと、年齢の情報が掲載されているだけで無意識に評価基準にしてしまっており、それは間違っているというのが彼女の意見です。生年月日を削除する法案で個人情報は守られる他、オンライン情報でキャスティングをする場合も、俳優は公平なチャンスが与えられるようになると主張。また、データベース以外でも俳優の年齢を掲載しているサイトは、本人からの要望があれば、その情報を削除する義務も発生します。AB1687法案はカリフォルニア州議会の上下院を通過しており、あとは州知事の署名を待つだけだそうです。「この法律がカリフォルニア州で制定される結果、アメリカ中の俳優は利益を得るわ。また、TVや映画を観る観客も、その役に最も適した人を見ることが出来るのよ」とカーテリスは締め括っています。



悪役でないヴァルツ

クリストフ・ヴァルツ(写真)が、人気コミック「銃夢(がんむ)」のハリウッド実写化版「アリータ:バトル・エンジェル」の出演交渉に入っています。製作はジェームズ・キャメロンで、ロバート・ロドリゲスが監督を務める本作、主演のローサ・サルザールはゴミ捨て場から救出されて再構成された26世紀に生きるサイボーグ、アリータを演じます。命がけで行った格闘技の訓練のことしか記憶がなく、凶悪な犯罪者たちを追うハンターです。「メイズ・ランナー2:砂漠の迷宮(2015年)」へ出演したサラザールは、今年の3月に本作へ参加しました。ヴァルツは、アリータを救出し、その師匠となるコンピューター専門医のドクター・ダイソン・アイド役をオファーされています。これまでクエンティン・タランティーノ監督作「イングロリアス・バスターズ(2009年)」と「ジャンゴ 繋がれざる者(2013年)」の悪役で2つのオスカー像を得たオーストリア出身のヴァルツ、「007/スペクター(2015年)」でジェームズ・ボンドの宿敵であるスペクターのボス、エルンスト・スタヴロ・ブロフェルド役を、「ターザン:REBORN(2016年)」で無慈悲なレオン・ロム役を演じ、最近、アレクサンダー・ペイン監督作「ダウンサイジンズ」の撮影を終えたばかりです。一貫して悪役でお馴染みですが、今回はヒロインの指南役といつもと違った一面が期待できます。もっとも、本人はすべての悪役がそれぞれ異なる個性を持っているため、一生悪役を演じても良いと発言しています。なお、キャメロンとライトストーム・エンターテインメントを通じて20世紀フォックスの製作を担当するジョン・ランドーが、現在「アバター」の続編4作品のプリ・プロダクションに入っているため、本作は2018年7月20日の全米公開を予定しています。製作費は1億7,500万ドルから2億ドルとなる見通しで、秋口に製作を開始するようです。



アドバイス

「トワイライト・シリーズ」で知られるクリステン・スチュワート(写真)は、女性の力をテーマにした短編映画で初めて監督を務めることが決定しており、「マネーモンスター(2016年)」などを手がけたジュディ・フォスターからアドバイスを受けたそうです。スチュワート曰(いわ)く、「演じることと指揮することの間に大きな隔たりがあるなんて考えたこともなかったの。ジュディへ映画を作るって言った時、彼女はとても助けになる助言をしてくれたわ。『まず最初に学ぶことは、そんな学ぶことがないってことよ、すでに準備万端じゃない』ってね。ジュディの口から聞けた素晴らしい言葉だった」とか。スチュワート自身、以前も2年間で5本の映画へ出た後は演技の仕事をしばらく休むつもりだと認めており、「2年間で5本もの映画をやったところだから、ちょっと映画の出演を休むのがとても良い決断だと思う。これまでそんなことはやったことがないし、だから容姿も変えたことがないのよ。10歳の頃から無難なスタイルを維持してきているんだし、『短編を監督して、ヘアスタイルも好きなようにしてやるわ』って思った」と話していました。そんなスチュワートはまた、リスクのある役柄へ挑戦している時がもっとも女優として生き甲斐を感じると女優魂を語ったこともあります。「死んじゃうかもと思う時ほど生きているって実感するものでしょ。たまに燃え尽きてこれ以上やっていけないんじゃないかと感じることがあるの。私は自分自身を昔より信じているわ。もっと若い頃って不安や緊張ばかりだった。まぁ、それは今も沢山あるんだけど、ただ上手くやれるようになってきたと思うの。毎回仕事をするたびに上手くなっているわ。私は純粋に感動できる内容へ惹かれるの。最近はストーリー的に少し複雑で、あまり商業的じゃないものへ偏っているところがあるわね」と・・・・・・



売れっ子リーマン

DCコミックの映画化を次々と手掛けているワーナーブラザーズが、「ジャスティス・リーグ・ダーク」の監督としてダグ・リーマン(写真)を起用しました。DCコミックのキャラクターのうち超常現象を扱うキャラクターで結成されたスーパー・ヒーロー・チームを描く作品で、2005年キアヌ・リーブス主演で映画化されたジョン・コンスタンティンをはじめ、マダム・ザナドゥ、デッドマン、シェイド・ザ・チェンジングマン、ザターナ、スワンプ・シング(2005年ウェス・クレイヴン監督により映画化)などが登場します。もともとは過去数年にわたり自らの監督作として準備を進めてきたギレルモ・デル・トロが他の企画を優先したため、「ボーン・シリーズ」や「オール・ユー・ニード・イズ・キル(2014年)」のリーマン監督の起用へとなったのです。ただ、彼は20世紀フォックスで「X-MENシリーズ」のスピンオフ「ギャンビット」の製作準備を進めてきたのですが、今回のワーナーとの契約にともない「ギャンビット」は降板することになりました。そのリーマンですが、現在、トム・クルーズと再タッグを組む「アメリカン・メイド」、および狙撃手を扱った低予算ドラマ「ザ・ウォール」の編集(ポスト・プロダクション)を行う一方で、「スター・ウォーズ フォースの覚醒(2015年)」のデイジー・リドリー主演で描く「カオス・ウォーキング」の準備を進めるという売れっ子振り。続く「ジャスティス・リーグ・ダーク」は「ダーク・ユニバース」とも呼ばれ、スーパーマン、バットマン、ワンダーウーマンらが集った「ジャスティス・リーグ・シリーズ」よりもスーパー・ナチュラルでダークなヒーロー・チームの活躍を描きます。脚本はマイケル・ジリオで、「マネーブール(2011年)」や「エクス・マキナ(2016年)」などのスコット・ルーディンがプロデューサーを務める本作、今から期待せずにはいられません。



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