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(2016年10月)          




スター・ウォーズ・ユニバース

ディズニーの会長兼CEOであるボブ・アイガーは、ゴールドマン・サックス・コミュニケーション・カンファレンスで、「スター・ウォーズ・シリーズ(写真)」の新作スピンオフが2020年公開に向けて製作されることを認めました。これまで製作が発表されていたのは新3部作の残り2本(2017年と2019年全米公開予定)、および帝国軍の宇宙要塞デス・スターの設計図を奪うという任務を遂行した反乱軍兵士たちの戦いを追う「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー(12月16日日米同時公開)」と、若きハン・ソロを主役にしたスピンオフ映画(2018年全米公開予定)の4作です。したがって、今回発表された新作はスピンオフものとして第3弾ということになります。詳細が明らかになっていないものの、すでに脚本家は決まっているとか。賞金稼ぎボバ・フェットが主人公のスピンオフの製作や、若きハン・ソロのスピンオフは3部作になるかもしれないと、さまざまな噂がこれまで飛び交っているだけ、新スピンオフでは何を主題にするのか気になるばかりです。また、2020年以降も「スター・ウォーズ・シリーズ」の新作は発表される可能性があると一部で報じられていたことへアイガーは、「昨日、(プロデューサーの)キャスリーン・ケネディとミーティングで計画を立てたんだ。というより、計画を見返したんだけど、『スター・ウォーズ』のプランが2020年まですでにある。そして、僕たちは2021年やそれからのことについてどうするかを話し始めたんだよ。だから、彼女はただ単に『スター・ウォーズ』の映画を作ろうとしているわけじゃなくて、『スター・ウォーズ・ユニバース』みたいなものを作ろうとしているんだ」と壮大な展望を明かしました。



アルバの特訓

ジェイソン・ステイサム主演のシリーズ第2弾「メカニック:ワールドミッション」は、ジェシカ・アルバ(写真)の共演で、アメリカより1ケ月遅れの先月(9月)24日より日本でも公開中です。1作目で辛うじて生き残った「メカニック」と呼ばれる殺し屋ビショップ(ステイサム)が、本作ではブラジル、タイ、オーストラリア、ブルガリアを縦横無尽に暴れ回り、アルバの他、トミー・リー・ジョーンズやミシェル・ヨーらも共演しています。自身が演じたキャラクター、ジーナについてアルバ曰(いわ)く、「彼女は屈しない強い女性よ。元軍人だから戦い方も防御の仕方も知っている。囚われの姫君じゃないの。だからといって腕力だけの獣でもない。彼女には心があるわ。そして、救出される女性という以上のものを彼女は持っている」と、その魅力を語っているのです。そもそも、彼女がこの作品へ出演した理由は、こういったアクション映画が好きで、観ていて楽しいからだとか。この映画へ出演するオファーを受けた時、ステイサムと一緒に映画を作れるなんて最高だと思ったアルバは、(護身術の)クラヴ・マガの特訓を受けています。接近戦が多くて本能的な戦い方だと感じ、ジーナが自分を守ったりアクションしたりする瞬間は、残酷でリアルで強烈で混乱しているよう見せたかったからだそうです。また、ステイサムについても、「ジェイソンって異星人ね! 彼みたいな人と会ったことがないわ。自分へ厳しく、身体や肉体的適応力を意識し、自分へ期待する。常時200パーセントの稼働率なの。自分の仕事をそれほど真剣に捉えている人を見て、共演するのは素晴らしい経験よ。気遣いと情熱があって、いつも良くなりたい、期待を超えたいと思っている。感情あふれる瞬間を大切にしながら見たこともないようなアクションをやってのけるわ」と手放しで絶賛しています。



リーヴスの第2章

キアヌ・リーヴス(写真)がすご腕の元殺し屋を演じ、久し振りのヒットを飛ばした「ジョン・ウィック」の続編「ジョン・ウィック:チャプター2(第2章)」では、再びメガホンを取ったチャド・スタエルスキ監督がアクションの量は前作の倍増と保証しています。また、公式ツイッターで「Bulletproof(不死身)」というキーワードとともにポスターも公開され、リーヴスふんするジョン・ウィックがスタイリッシュなスーツの採寸を受けているだけで、なんとも風情のある雰囲気です。スタエルスキ監督は待望の続編について聞かれると、「(今作では)前作の2倍のアクションをしたよ。中でも努力したのがカーアクションさ。オープニングのカーチェイスは大半がキアヌによるもので、とても印象的なんだよ」と自信をにじませています。また、ニューヨークの裏社会を仕切っていた影の帝王ウィンストンの経営するミステリアスなホテルの世界へは興味を示すファンが多かったらしく、「前作の公開以来、みんな言うんだ。『あのホテルについて知りたい。もっとさまざまなキャラクターを見たい』、『全員最強なあの裏社会は何なんだ』、『あんな世界が存在するというのは、どういうことなのか』ってね。それこそが僕たちの追い求めたいものでもあった。僕も他のクリエーターもプロデューサーたちへとっても、映画作りの最大の魅力は世界観を作りあげることなんだ。そして少しの現実逃避をね。まさしくそれが僕たちの気にかけていることで、この2作目でそれが上手く行けばいいなと思っているよ」と続けています。ローマが舞台となる続編へは、女優としての活躍が目覚ましいモデルのルビー・ローズ(「バイオハザード:ザ・ファイナル」)や、ローレンス・フィッシュバーン(「マトリックス・シリーズ」)が新キャストへ名を連ね、2017年2月10日全米公開予定です。



ゼルウィガーの第3章

世界中でヒットした人気シリーズの第3弾「ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期」について、主演のレニー・ゼルウィガー(写真)と共演のパトリック・デンプシーが、ニューヨークのイベントで語りました。TV局の敏腕プロデューサーとなったブリジット(ゼルウィガー)は、IT企業の社長ジャック(デンプシー)と音楽祭で出会って急接近するものの、元彼のマーク(コリン・ファース)ともヨリを戻してしまいます。そこで彼女の妊娠が発覚したことで、父親が誰なのか?・・・・・・波乱の展開となるのです。メガホンを取ったのはシリーズ1作目を監督したシャロン・マグアイア。前作から10年以上が経過し、再びこの役を務めるプレッシャーについてゼルウィガーは、「多くの人がブリジットへ愛着を感じているから、わたしもそんな役柄を大事に扱いながら、良い仕事をして、誰もがっかりさせないようにしたかったの。だから、出演料などの利益目的で演じたいと思わなかったし、まあまあな出来栄えの作品では十分だと思っていなかったのよ」と明かしています。いっぽう、デンプシーが演じるジャックは前2作でヒュー・グラントが演じたダニエル役の代役のようなものなのかといえば、デンプシー自身は、「ヒュー・グラントの代役なんて誰もできないさ。彼は素晴らしい俳優だからね。ただ僕の役が原作にない新たなキャラクターだから、このキャラクターの本質を探すのに苦労した。だから撮影当初、神経をすり減らしていたよ。ジャックは億万長者で、アルゴリズム(問題を解決するための方法や手順)で人々をくっつけるデート用アプリを開発した人物で、個人的に良いやつだと思う。要するに、ブリジットは今回、2つの良い選択肢があるんだ」と説明しています。



ヴィルヌーヴの新作

SF映画の金字塔として名高い「ブレードランナー」の続編でメガホンを取っているドゥニ・ヴィルヌーヴ(写真)監督による異色のSF作が「メッセージ」です。本作は、優れたSF作品へ贈られるネビュラ賞を受賞したアメリカ人作家テッド・チャンによる小説「あなたの人生の物語」を映画化したもので、巨大な球体型宇宙船が地球へ飛来し、政府の要請で調査チームに招かれた言語学者のルイーズ・バンクスは、その謎の知的生命体の特異な言語体系に触れたことで、自らの人生が影響を受けていくのを体感してゆきます。予告編では、黒い球体型の巨大飛行体が突如、広い荒野へ現われた瞬間が捉えられており、その異様な形からしてかなりのインパクトです。そして、エイミー・アダムス扮する主人公ルイーズの語りで、巨大飛行体の上陸で騒がしくなる世間が映し出されます。「君しか解読できない」と軍のウェバー大佐(フォレスト・ウィテカー)に説得され、謎の知的生命体とコミュニケーションをはかる任務へついたルイーズが、チームを組んだ物理学者のイアン(ジェレミー・レナー)と一緒に、その未知なる生物と対面するのです。彼らはいったい人類へ何を伝えようとしているのか? そして主人公たちが辿(たど)る運命とはいかなるものなのか? 期待を煽る仕上がりとなっています。なお、先日行われた第73回ベネチア国際映画祭や第41回トロント国際映画祭で上映され、称賛を浴びている本作、10月25日から11月3日まで開催される第29回東京国際映画祭でも、特別招待作品として上映されることが決定しました。「プリズナーズ(2013年)」や「ボーダーライン(2015年)」などで独特の映像美と世界観を評価されているヴィルヌーヴ監督の新作だけあって、日本でもどのような評価を得るのか気になるところです。



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