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(2017年2月)          




オスカー・レース先行馬

今月(2月)26日の第89回アカデミー受賞式に先立ち、今年も恒例の「ハリウッド最前線」の予想結果をお届けします。

「ラ・ラ・ランド」
 
デイミアン・
チャゼル
ケイシー・
アフレック
エマ・ストーン
 
作品賞

「メッセージ」、「フェンシズ」、「ハクソー・リッジ」、「最後の追跡」、「ヒドゥン・フィギュアズ」、「ラ・ラ・ランド」、「LION ライオン 25年目のただいま」、「マンチェスター・バイ・ザ・シー」、「ムーンライト」の9作がノミネートされた中から・・・・・・
本命馬: 「ラ・ラ・ランド」
対抗馬: 「ムーンライト」
大穴馬: 「マンチェスター・バイ・ザ・シー」
監督賞

ドゥニ・ビルヌーブ(「メッセージ」)、メル・ギブソン(「ハクソー・リッジ」)、デイミアン・チャゼル(「ラ・ラ・ランド」)、ケネス・ロナーガン(「マンチェスター・バイ・ザ・シー」)、バリー・ジェンキンス(「ムーンライト」)がノミネートされた中から・・・・・・
本命馬: デイミアン・チャゼル
対抗馬: バリー・ジェンキンス
大穴馬: ケネス・ロナーガン
主演男優賞

ケイシー・アフレック(「マンチェスター・バイ・ザ・シー」)、アンドリュー・ガーフィールド(「ハクソー・リッジ」)、ライアン・ゴスリング(「ラ・ラ・ランド」)、ビゴ・モーテンセン(「はじまりへの旅」)、デンゼル・ワシントン(「フェンシズ」)がノミネートされた中から・・・・・・
本命馬: ケイシー・アフレック
対抗馬: デンゼル・ワシントン
大穴馬: ライアン・ゴスリング
主演女優賞

イザベル・ユペール(「エル」)、ルース・ネッガ(「ラビング 愛という名前のふたり」)、ナタリー・ポートマン(「ジャッキー ファーストレディ 最後の使命」)、エマ・ストーン(「ラ・ラ・ランド」)、メリル・ストリープ(「マダム・フローレンス! 夢見るふたり)」)がノミネートされた中から・・・・・・
本命馬: エマ・ストーン
対抗馬: ナタリー・ポートマン
大穴馬: イザベル・ユペール
一昨年の予想は散々だったいっぽうで、去年はもう少しでパーフェクトというところまでいきました。さあ、今年の結果はどうなるでしょうか?



スウィフトへの非難

ここしばらく世間はドナルド・トランプ大統領で大騒ぎですが、それはハリウッド業界も変わりません。そのとばっちりを受けているのがテイラー・スウィフト(写真)で、反トランプ大統領デモに参加しなかった彼女へ非難の声が殺到しています。彼女はデモに参加しなかったものの、ツイッターで賛同の意を示し、「マーチへ参加した人々にたくさんの愛と誇り、尊敬を送ります。私は今日、女性であることに誇りを感じます」とエールを送っていました。スウィフトのファンで好意的な受け取り方をした人々もいますが、実際デモへ参加したマドンナやエマ・ワトソン、シャロン・ストーンらと比較して彼女を激しく罵る声が多く、ツイッターで炎上しています。「テイラー・スウィフト、あなたの偽物のガールズ・パワーを宣伝するためフェミニズムを利用するのはやめてほしい」、「あなたのファンだけど、これはクソみたいなツイート。自分に都合のいい時だけフェミニストになるのはやめなさい」、「本物のフェミニストなら、反トランプを表明するはず」、「ツイートをするのは簡単だ。デモに来い」など激しい批判が続々とスウィフトへ寄せられました。いっぽう、「テイラーはトランプ派と反トランプ派の両陣営にファンがいるからじゃないか?」と指摘する声もあり、「彼女のファンは両陣営にいるからだ。音楽が政治になる必要はない」、「別の陣営の女性を攻撃することは分裂を生む」、「私もデモへ行かなかったけど、自分は100パーセント、フェミニストだと思っている」など同情的な投稿があったのはもちろんです。こうした動きを受けてなのか、自分がなぜデモへ参加できなかったかツイッターで説明するスターたちも現われ、ケンダル・ジェンナーは仕事でフランスにいるとインスタグラムで伝え、ジェニファー・ローレンスも撮影でブダペストにいるとツイートしています。



今年のラジー賞は?

第89回アカデミー賞のノミネーション発表直前に恒例の第37回ゴールデン・ラズベリー賞(ラジー賞)のノミネーションが発表されました。ラジー賞はご存知の方も多いと思いますがアカデミー賞のパロディーで、前年の「最低最悪な映画」を表彰する賞です。したがって、ノミネートも授賞式もアカデミー賞の直前と決まっており、今年は「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」と「ズーランダー2(写真)」が最低作品賞、最低主演男優賞などそれぞれ8部門でノミネートされ、どちらがより多くの賞を受賞するか注目されています。「ジャスティスの誕生」は、バットマンを演じたベン・アフレックとスーパーマンを演じたヘンリー・カヴィルが揃ってインタビューを受けた際、「映画は酷評されている」と聞いたアフレックが終始悲し気な顔で黙り込み、話題となりました。「ズーランダー2」は前作から15年が経ち、超豪華ゲストを集めてパワーアップぶりをアピールしていながら、製作費へ56億ドル投入して興収は50億ドルと伸びずじまい、日本では劇場公開すらされていません。通常、それぞれの部門のノミネートは(作品賞を除くアカデミー賞同様)5つまでですが、今年は5つの枠へ収まりきらず6つに増やされているのが特徴です。俳優や監督へは不名誉な賞のため、例年トロフィーを受け取りに来る受賞者がほとんどおらず、過去には2010年の「ウルトラ I LOVE YOU」で最低主演女優賞と最低スクリーン・カップル賞を受賞したサンドラ・ブロックが授賞式へ参加し、「粋だ」と評価されました。また、2004年の「キャットウーマン」で最低主演女優賞を受賞したハル・ベリーも授賞式へ参加し、2001年の自らのアカデミー受賞スピーチをコピーして場内を沸かせています。さあ、アカデミー賞前日の2月25日、今年の授賞式は果たして?



怖〜いポピンズ

去年の9月30日に全米公開されたティム・バートン監督の最新作「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち(写真)」が、ようやく日本でも今月(2月)3日から公開される予定です。フロリダで生まれ育ったジェイク(エイサ・バターフィールド)が祖父の遺言に従って訪れた小さな島、そこで出会ったのは美しくも厳格なミス・ペレグリン(エヴァ・グリーン)のもとで暮らす空中浮遊能力を持った少女や、いたずら好きな透明人間の男の子、いつも一緒に行動する無口な双子、後頭部へ鋭い歯を持つキュートな女の子など、奇妙なこどもたちでした。という本作でも、これまでのバートン監督作同様、他人に助けを求める乙女は登場しません。見た目がキュートな女の子だろうと、仲間と力を合わせて困難へ立ち向かってゆくのです。バートン監督曰(いわ)く、「『私たちは世界を救うぞ』というのでなく『私たちはこういう人間で、これが私たちのやり方だ。何か役立てれば、もしくは何か問題を解決し、対処することができるのなら』というものさ。より地に足がついた人間レベルの話なんだよ」と、彼女たちの強さの本質を明かしています。いっぽう、ミス・ペレグリンを演じたグリーンも、「ミス・ペレグリンは奇妙なこどもたちの家を仕切っていて、外の世界やこどもたちをつけ狙うホローガストという異能者たちから守っているのよ。彼女は子どもたちを守るためならどんなことでもやるわ。自分の命を危険へ晒すし、相手を殺すこともあるわ」と、キャラクターについて分析。そんなミス・ペレグリンを「怖〜い(メリー・)ポピンズ」と呼ぶバートン監督は、「誰だってミス・ペレグリンが自分の学校の校長だったら良かったのにと思うだろうね。彼女はとてもしっかりしていて、ユーモアがあり、謎めいていて、保護してくれるような人なんだ」と、その怖さの中にある真の愛情へ触れています。



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