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ラッキーな公開延期
1980年代が舞台となる「ワンダーウーマン」第2弾の「ワンダーウーマン1984」は、現在着々と撮影が進行しています。ただし、2019年11月1日の全米公開予定は約7ケ月先の2020年6月5日へ変更になったとワーナーブラザーズの正式な発表がありました。もともと6月5日に公開予定だった1970年代の人気海外ドラマ「600万ドルの男」の映画版「シックス・ビリオン・ダラー・マン(60億ドルの男)」は、まだ新公開予定日が決まっていません。主演はマーク・ウォールバーグというだけで今もなお監督が未定で、その穴埋めに「ワンダーウーマン1884」が配置された形です。1作目の「ワンダーウーマン」は、2017年の全米興行収益が世界興行収益を上回る4億ドル(約440億万円)以上のヒットとなり、ハリウッドのブロックバスター・シーズンである6月の公開でした。そういうこともあって、今回の公開日変更について主演のガル・ガドット(写真)は、「状況が変わったおかげで、『ワンダーウーマン』を適切なホームへ戻すことができたわ」とツイートしています。2作目は1作目同様パティ・ジェンキンスが監督を務め、スティーブ・トレバー役のクリス・パインも続投する他、ロビン・ライトがアンティオペ役で再出演するということです。1作目は第1世界大戦末期の1918年が舞台だった「ワンダーウーマン」、ライトの演じたアンティオペはワンダーウーマンことダイアナの叔母でアマゾン族の将軍でした。ダイアナへ武術を厳しく訓練してきた戦士であり、もちろん2作目でも同じ役どころを演じます。現在、ワンダーウーマンの母親でアンティオペの姉ヒッポリタを演じるコニー・ニールセンと共に、スペインで回想シーンの撮影を行っているところです。1作目をご覧になった方なら、ヒッポリタが冷戦時代の1980年代へ姿を見せないのは納得が行くでしょう。
アフレックの復帰
リハビリ施設での40日に及ぶアルコール依存症治療を終えたベン・アフレック(写真)が、仕事への復帰を果たしました。現在、アフレックがロサンゼルスで撮影しているのは主演作「トーランス」、アルコール依存症によって妻と離婚することになったバスケットボールの元スター選手が、高校の弱小バスケットボール・チームのコーチとなって再起を図るというストーリーです。アフレックは先月リハビリ施設を出ただけでなく、元妻で女優のジェニファー・ガーナーとの離婚が成立したばかりで、かなり私生活へリンクした内容となっています。メガホンを取っているのは「ザ・コンサルタント(2016年)」でもタッグを組んだギャヴィン・オコナー監督で、アフレックが主演ばかりでなくプロデューサーも務める期待作です。アフレックは長年アルコール依存の問題を抱えており、2001年と2017年にもリハビリ施設へ入っていました。今回リハビリ施設を出た際には、家族や友人、ファンの支援を感謝した上で、治療が「生涯に渡る困難な戦い」になるとインスタグラムでつづっています。いっぽう、今回リハビリ施設へ入る時は、友人のマット・デイモンが、彼をサポートしていると声明を発表しました。ハリウッドきっての仲良しコンビとして知られる2人は、デイモンが10歳、アフレックが8歳のときに出会ってから、脚本および共演作「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち(1997年)」がアカデミー脚本賞を獲得し、共にハリウッド・スターとなった現在へ至るまで親友同士です。2001年にアフレックがリハビリ施設を出た際は、彼を気遣ってデイモンも酒を断ったと報じられました。デイモンは現在、ロサンゼルスで伝記映画「フォードv.フェラーリ」を撮影中、互いに仕事も家族もある身ですが、親友への思いは変わらないようです。
ジョンソンの出演を希望
第90回アカデミー賞で4部門へノミネートされた「君の名前で僕を呼んで(2017年)」のルカ・グァダニーノ監督が、続編にダコタ・ジョンソン(写真)の出演を希望していることがわかりました。ジョンソンはこれまでグァダニーノ監督作「胸騒ぎのシチリア(2015年)」や、現在全米公開中のリメイク版「サスペリア」へも出演しています。「君の名前で僕を呼んで」は作家アンドレ・アシマンの小説が原作となり、1980年代のイタリアを舞台に、家族とバカンスでやって来た17歳の少年エリオ(ティモシー・シャラメ)が、大学教授の父の招いた24歳のアメリカ人大学院生オリヴァー(アーミー・ハマー)と恋に落ちる、ひと夏の美しい思い出を描いたラブ・ストーリーです。脚本を書いたのは「眺めのいい部屋(1986年)」や「日の名残り(1993年)」の監督で知られるジェームズ・アイボリーで、アカデミー脚色賞を受賞しました。続編が製作されるかどうかはまだ正式に発表されていませんが、グァダニーノ監督は前向きな姿勢を見せており、エイズが猛威をふるい始めた90年代前半へ舞台を移したいと語っています。また、続編ではオリヴァーの妻役としてジョンソンを候補に挙げており、「ニューイングランド地方の愛人が何人もいるような富豪女性」、「オリヴァーとの子どもは5人くらい」など役柄のアイデアを明かしました。なお、前作でアカデミー主演男優賞へノミネートされたシャラメも続編に意欲的で、「原作者のアンドレ・アシマンは続編へ賛成していると思うし、ルカ(グァダニーノ)も本気で作ろうとしている。それにアーミー(ハマー)と僕も1,000パーセントやる気だよ」ということです。いっぽう、トロント国際映画祭で「すでに実現のため動いている人たちがいるから、続編はできるはず」と話したハマーですが、内容については「詳しく知っているけれど、なにも話せない」と口を噤みました。
ディカプリオの新作
レオナルド・ディカプリオ(写真左)とマーティン・スコセッシ監督(写真右)が、デヴィッド・グランのベストセラー小説「キラーズ・オブ・ザ・フラワー・ムーン」の映画化で再びタッグを組むことになりました。これまで「ギャング・オブ・ニューヨーク(2002年)」、「アビエイター(2004年)」、「ディパーテッド(2006年)」、「シャッター アイランド(2010年)」、「ウルフ・オブ・ウォールストリート(2013年)」と、コンスタントに仕事をしてきた2人が今回挑むのは、ノンフィクション小説で1920年代のオクラホマ州が舞台となります。その地下資源の豊富な土地ではオセージ族のインディアンが暮らしていました。しかし彼らは次々と殺害され、FBIの前身であるBOIが捜査へ乗り出すという物語です。スコセッシ監督は、「この本を読んだとき、すぐ人々や撮影現場、演じている姿が見えてきたんだ。これは、映画にしなきゃと思ったよ。エリック・ロス(脚本)と働けるのは嬉しいね。レオナルド・ディカプリオと再び組めるのもそうさ。解決しきっていないアメリカの物語をスクリーン上で描くのが楽しみだ」と語っています。製作は2016年に「キラーズ・オブ・ザ・フラワー・ムーン」の映画化権を獲得した「インペレイティブ・エンターテインメント社」が務め、スコセッシも監督とプロデューサーを兼任するそうです。脚本のロスは「フォレスト・ガンプ/一期一会(1994年)」でアカデミー脚色賞を取ったり、現在全米ヒット中の「アリー/スター誕生」を書いたりしています。そして、主演のディカプリオといえば、間もなく「ジャンゴ 繋がれざる者(2012年)」以来となるクエンティン・タランティーノ監督作「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」が全米公開される予定で、こちらは「イングロリアス・バスターズ(2009年)」で初めてタランティーノ監督作へ出演したブラッド・ピットとの共演が話題になっています。
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(2018年11月)
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