|
歌うクーパー
レディー・ガガ(写真右)が初めてハリウッド映画の主演を務めることで話題の「アリー/スター誕生」、注目されているのは彼女だけでなく、本作で監督デビューを果たし、ガガと共に主演も務めたブラッドリー・クーパー(写真左)の歌声へも注目が集まっています。本作で世界的なロック・スター、ジャクソン・メインを演じるクーパーは、当然ながら歌うシーンが欠かせません。本作のプロデューサーの1人ビル・ガーバー曰(いわ)く、「ブラッドリー(クーパー)は『大学で少し歌っていた』らしく、まあなんとか方策を見つけて、ジャクソン(メイン)役を演じてくれるだろうくらいにしか思っていなかった」と、最初はクーパーの歌へあまり期待をしていなかったそうです。本業が歌手ではないクーパーにすれば、いくら役の上であれ「歌姫」ガガとのデュエットはきつかったはず。と思いきや、それが意外と心地のいいものだったようで、「初対面の日、最初の15分〜20分で一緒に歌ってみたんだけれど、じつは緊張しなかったんだ。彼女はその場へ意識を集中させてくれたし、とても暖かいんだよ。とんでもない才能を持ったアーティストが同志として接してくれていると思うと勇気が湧いてきた。だから緊張どころか、いつも守られているような気分でいられたのさ」と振り返っています。いっぽう、メインと出会い、自分の歌手としての才能を開花してゆくアリー役を演じたガガも、「ブラッドリーは本当に素晴らしい歌い手よ。私の自宅のリビング・ルームのピアノの前で一緒に歌ったのだけど、彼が歌を歌い出したら思わずピアノを弾く手を止め、『素晴らしい声だわ!』と言った」と、彼の歌声へさすがの歌姫も驚いた様子です。そして、先日のプレミアでクーパーが「彼女はまさに僕のベスト・パートナー」と言えば、ガガは「心から信頼している」と、お互いを絶賛し合っています。
ガドットの新作
「ワンダーウーマン」のガル・ガドット(写真)が、昨年公開されたアガサ・クリスティの傑作ミステリーを映画化した「オリエント急行殺人事件」の続編へ出演すると発表されました。前作「オリエント急行殺人事件」では、ケネス・ブラナーが大きな口髭の名探偵エルキュール・ポアロを演じ、自らメガホンも取っています。ご覧になった方は、最後のシーンでポアロがエジプロへ向かうべくオリエント急行を降りたのを憶えておられることでしょう。この続編はその続きで、1937年に出版されたクリスティの小説「ナイルに死す」が原作となり、ナイル川の観光船で起きる難事件へポアロは再び挑みます。本作でガドットが演じるリネット・リッジウェイ・ドイルは、事件のきっかけとなる存在で、いわば「オリエント急行殺人事件」でジョニー・デップが演じた富豪エドワード・ラチェットのような役どころです。巨額の遺産の相続人で、事件はドイルの新婚旅行中の豪華客船内で起こります。ケネスは今回も監督と主演を務めるはずですが、まだ交渉は合意へ至っておらず、ガドットが正式発表された最初のキャストとなりました。また、有力な主演候補として「ローン・レンジャー(2013年)」や「コードネーム U.N.C.L.E.(2015)」のアーミー・ハマーもあがっています。ガドットの出演作としては、「ワンダーウーマン(2017)」の続編「ワンダーウーマン1984」が2019年11月1日の全米公開を予定しており、2019年12月20日公開予定の「ナイルに死す」と立て続けの封切りです。なお、原作は1978年にも「ナイル殺人事件」としてピーター・ユスティノフ主演で映画化されており、その時は「007/ムーンレイカー(1979)」でボンドガールとなるロイス・チャイルズがドイル役を演じました。
「アベンジャーズ4」のクランクアップ
先月末、「アベンジャーズ・シリーズ」で弓矢の名手ホークアイを演じるジェレミー・レナー(写真)が、来年(2019年)5月3日全米公開予定のシリーズ第4弾の出演シーンの撮影が最終日を迎えたことをインスタグラムで報告しました。今年封切られた前作「インフィニティ・ウォー」に続く4作目は現在、追加分の再撮影が行われており、先月(9月)初めレナーが「戻ってきたぜ!」とアベンジャーズへの帰還を報告、そしてこの日、自撮り画像と共に「セットで最終日の準備中!」と明かしたわけです。ホークアイは「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016)」で、ヒーローを国連が管理するソコヴィア協定へ反発したキャプテン・アメリカに味方した結果、アイアンマン側との戦いで負け、ラフト刑務所へ収監された後、アントマンと同じく自宅軟禁におかれ「インフィニティ・ウォー」でのサノスとのバトルへは参加していません。「インフィニティ・ウォー」の時点で彼が何をしていたのか、また多くのファンに衝撃をもたらしたエンディングを受けた4作目で、彼はどのような形でバトルへ参加するのか? 根強い支持を得ているキャラクターなだけ、その活躍が話題を呼ぶのは間違いないでしょう。ハルク役のマーク・ラファロは今回の再撮影について、「僕らはただ再撮影をするってわけじゃなくて、映画を終わらせるのさ。去年、撮影から去った時点では、本当の意味で終えてなかったからね」と語っています。本当の意味の結末が、これから撮影される可能性を示唆しています。「インフィニティ・ウォー」のネタバレになるともいわれる4作目のタイトルは、早くもYoutubeへアップされている予告編のタイトルから「エンド・ゲーム」と思われますが、それらの予告編はオフィシャルじゃないので、まだまだわかりません。
ロクスバーグは語る
「バック・トゥ・ザ・フューチャー・シリーズ」のロバート・ゼメキス監督が製作総指揮を務めるNBC放映の話題作「マニフェスト」について、メリッサ・ロクスバーグ(写真右)とJ・R・ラミレス(写真左)が語りました。本作は、レーダー上から消え、墜落したものと思われていた旅客機が何年もしてから戻ってくるというストーリーで、2013年に兄とその息子とニューヨーク行きの旅客機828便へ搭乗した婦人警官のマイケラ(ロクスバーグ)が、突如、乱気流と遭遇し、無事に着陸したものの、到着した飛行場で2018年であることを知らされるのです。彼ら同様5年間を失った乗客は様々な問題と直面します。ラミレスが演じるのは元マイケラの恋人で、現在別の女性と結婚しているジャレッド役です。ロクスバーグは自ら演じたマイケラ役を、精神的に困難なキャラクターだと語っており、「マイケラは成功者の兄の陰へいつもいるような存在なのよ。自分なりの道を切り開こうとするけれど、それがなかなか上手くいかないのね。加えて、親友を飲酒運転で亡くしてしまう。だから、この旅客機へ乗る前から彼女は混乱した人生を送っているのだけれど、搭乗後はさらなる複雑な人生が待ち受けているわ」と語っています。そんなマイケラの元恋人ラミレスは、自分の仕事を愛する勤勉な捜査官で、寛大な心の持ち主であり、愛するマイケラへプロポーズをするも、彼女が旅客機828便へ搭乗したことで、その答は返ってこないまま5年が経過してしまうのです。彼はマイケラが亡くなったと思い、2年間彼女の親友の女性と喪に服した後、現在はその親友と結婚し、3年の月日が流れています。そこへマイケラが戻ってきたことで、彼はこの旅客機の謎を探る捜査官として、真相を究明するため彼女と共に働かなければいけなくなるのです。さあ、どのような作品が仕上がるのでしょうか?
[最新情報先月号] [バックナンバー索引] [ホームページ] [ハリウッド・ベスト10今月号] [最新情報来月号]
(2018年10月)
Copyright (C) 2018 by Yasukazu Yokoi. All Rights Reserved.
|