アルゼンチンよ、泣かないで・・・・・・食べよう


 同名のミュージカルを映画化した「エビータ(1996年)」の中で歌われる「アルゼンチンよ、泣かないで」は、マドンナ演じるアルゼンチンのファースト・レディだったエバ・ペロンが国民へ訴えかけるとても印象深い曲でした。そのアルゼンチといえば、昔からステーキやワインで有名です。ロサンゼルスにも数は少ないですがアルゼンチン料理のレストランはあり、美味しいステーキを食べさせてくれます(便宜上、料理の写真へ番号を付けてありますが、これらの番号は店と無関係です)。

Carlitos Gardel Restaurant
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■Carlitos Gardel Restaurant

carlitosgardel.com
7963 Melrose Ave., Los Angeles
323-655-0891

 ボゾーリアン一家がブエノスアイレスから片道切符でアメリカへ移って来たのは'90年代の初頭でした。1996年、ホームシックにかかり、本格的なアルゼンチン料理が恋しくなった彼らは、自分たちで仲間内のレストランを開こうと決意するのです。こうして母親の手料理を中心としたレストラン「Carlitos Gardel」が幕を開け、地元社会へ着実に定着してゆきます(レストランの名前の由来は、1935年に飛行機事故で他界したタンゴ歌手)。

 翌1997年、新たなメニュー「Papas Fritas Provenzal(ガーリック・フライ)」を加えたのがヒットし、一躍話題のレストランとなってからは、上質の肉とホームメードのデザートがメディアから取り上げられるようになりました。客達の間で知られる存在となった母親はメニューを増やし、ヒット・メニューである「Postre Gardel(ピーチ・ケーキ)」が誕生するのです。

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 写真は左から「アルゼンチン風カプリス。中身は言うまでもなくブラッタ・チーズとプロシュートとトマトです(#1)」、「デ・ラ・カサ・サラダ(#2)」、「プライムリブ(#3)」、「スカート・ステーキ(#4)」、「リブアイ(#5)」。写真に含まれていませんが、行かれる時は「Papas Fritas Provenzal」と「Postre Gardel」もぜひ!

Lala's Grill
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■Lala's Grill

lalasgrill.com
7229 Melrose Ave., Los Angeles
323-934-6838

 この店の歴史を遡(さかのぼ)ると、1988年に未来のオーナーであるホラシオ・ウェシュラー・フェラーリとマリオ・バラルの2人が、それぞれアメリカへ移住したところから始まります。アルゼンチンの文化をアメリカに紹介したいとカリフォルニアで定住した2人は、両方の世界へ貢献できる何かを創り出したいと考えました。

 アルゼンチンでレストランを経営していたフェラーリと建築畑のバラルがカリフォルニアで出会ったのは1990年で、意気投合した2人が比較的手頃な値段で多くの人々に楽しんでもらえるアルゼンチン料理をフィーチャーしたレストランの計画を立てたのは1995年のことです。そして、メルローズ通りへ「Lala's Grill」をオープンしたのが1996年4月、そこには2人のバックグラウンドが上手く活かされています。

 フェラーリとバラルの場合、日々の営業を人任せにするタイプのオーナーではなく、いつも料理やサービスへ目を光らせているため、何かリクエストや意見があれば気軽に話しかけてみて下さい。ウェイターやウェイトレスの日本の基準からするとちょっと冷たいようですが、 なお、2軒目がスタジオ・シティにオープンしました。

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 写真は左から「パンとチミチュリソース(#6)」、「エントラナ・アル・アホ。ガーリック・ステーキです(#7)」、「スカート・ステーキ(#8)」、「ミックス・プレート(#9)」、「ロブスター・ラビオリ(#10)」。注文して待つ間、パンと一緒に出てくるチミチュリソースがいいですね。

Empanada's Place
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■Empanada's Place

empanadasplace.com
3811 Sawtelle Blvd., Los Angeles
310-391-0888

 ステーキと並んでアルゼンチン料理を代表するのがエンパナーダです。当然ながら先の「Carlitos Gardel Restaurant」や「Lala's Grill」でもエンパナーダはメニューにありますが、ここは名前のごとくそれを専門としています。ノーマ・ギルがジョン、シェーン、ジム、ジェシーの息子4人とカルバーシティーで「Empanada's Place」をオープンしたのは1985年、その時点で彼らのユニークなエンパナーダがこれほど流行るとは彼ら自身想像もしていなかったそうです。

 同じエンパナーダの専門店ならロバートソン通りの「The Empanada Factory」やサード通りの「Nonna's Empanadas」などもありますが、やはり一番はここでしょう。肉類のエンパナーダが10種類と野菜類のエンパナーダが8種類の他には、サンドイッチやサラダがあります。エンパナーダは、テイクアウトすれば自宅でスタック代わりにも最適です。なお、カルバーシティー以外、コスタメサへ「Empanada's Place」の2号店が出ています。

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 写真は左から「スパイシー・ビーフ・ウィズ・チーズ・エンパナーダ(#11)」、「ビーフ・エンパナーダ(#12)」、「スピナッチ・エンパナーダ(#13)」、「ブロッコリ・エンパナーダ(#14)」、「キャラメル・デザート(#15)」。

 エンパラーダはまだしも、ステーキ類の量たるやどのアルゼンチン・レストランも半端じゃありません。ステーキでお腹が一杯になった後は、タンゴでも踊ってみてはいかがでしょうか?

横 井 康 和      


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