牡蠣食えば・・・・・・ハリウッド篇


 およそ1年半前、「牡蠣食えば」をお届した時点ではハリウッド方面に生牡蠣などを食べさせる本格的なシーフード・レストランがありませんでした。したがって、店で牡蠣を食べるならサンタモニカ方面などへ出掛けなくてはならなかったのが、ようやくハリウッドでも立て続けに牡蠣を出す店がオープンしています。今回はそんな店を3軒ご紹介しましょう(便宜上、料理の写真へ番号を付けてありますが、これらの番号は店と無関係です)。

Littlefork
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■Littlefork

littleforkla.com
1600 Wilcox Ave., Los Angeles
323-465-3675

 ハリウッドのど真ん中にオープンした「Littlefork」は、店名からして牡蠣を食べるあの小さなフォークというだけで期待が持てます。久し振りで登場するジェイソン・トラヴィのプロジェクトであるLittlefork、シェフのマサチューセッツ州のルーツへ敬意を表しているこのレストランは、「Sunny Spot」、「A-Frame」、「Alibi Room」、「The Brig」などで知られるデヴィッド・レイスがパートナーであり、今年(2014年)の1月に幕を開けたばかりです。

 その前は「Fraiche」のパートナーと決別したのが2009年10月のことで、以来、紆余曲折を経てLittleforkのオープンへ漕ぎ着けました。この店のコンセプトは、トラヴィが出身地のニューイングランドだけでなく、モントリオール近郊のカナダ南部からもインスピレーションを得ており、それはメニューの燻製肉へ明らかに表われています。また、新鮮な牡蠣や様々な海鮮料理をハリウッドで楽しめるとは、ほんの1年半前までは考えられませんでした。

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#9
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#10

 写真は左から「オン・ザ・ハウスのピクルス(#1)」、「生牡蠣(#2)」、「クリスピー・ヘッド・チーズ(#3)」、「クラム・ケーキ(#4)」、「スノー・クラブ(#5)」。

Connie & Ted's
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■Connie & Ted's

www.connieandteds.com
8171 Santa Monica Blvd., West Hollywood
323-848-2722

 2013年の最も期待されているデビューの1つは「Connie & Ted's」だといえるでしょう。マイケル・チマルスティがニューイングランドの「ハマグリ小屋」を再現したニュースを聞いたのは去年の3月で、1940年に結婚したイギリスからの移民であるシェフの母方の祖父母コニーとテッドにちなんで命名されました。

 テッドは熱心な漁師で、孫へシーフードへの彼の愛情を伝えました。この店のメニューがそれを物語っています。「Water Grill」のチマルスティの下でキャリアを始めた元「Providence」のエグゼクティブ・シェフ、サム・バクスターによって伝統的な調理をされた魚介類は、訪れる人々へシンプルな喜びを与えてくれることでしょう。また、Providenceの卒業生といえば、ペストリー・シェフをデヴィッド・ロドリゲス、総支配人をマシュー・デ・マルテが務めています。チームを締めくくるのはパートナーのドナート・ポトやクレイグ・ニコロフ、そしてチマルスティの妻クリシ・エチヴェリです。

 以前、同じ場所へは「Silver Spoon」があり、その建物を完全に取り壊し、新しく建てたトタン屋根の140席の店内は、世紀半ばの雰囲気をほのめかしながら洗練されています。オープンキッチンのダイナーも悪くありませんが、私は屋根付のパティオのテーブル席が好きです。こういう大資本の投入されたレストランは、良くも悪くも客の入りが存続へそのまま係わってくるだけに、せっかくオープンした以上、末永く営業を続けてほしいと願います。

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#1
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#3
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#4
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#5

 写真は左から「チャウダー・セット。左からロード・アイランド・クリア、ニュー・イングランド、マンハッタン(#6)」、「生牡蠣(#7)」、「デビルド・オイスター(#8)」、「ニュー・ベッドフォード・スカロップ(#9)」、「ワイルド・ホワイト・メキシカン・シュリンプ(#10)」。

Blue Plate Oysterette
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■Blue Plate Oysterette

bpsm.wpengine.com/bpo/los-angeles
8048 W. 3rd St., Los Angeles
323-656-5474

 もともとサンタモニカ・ビーチで成功している「Blue Plate Oysterette」が、フェアファックス地区のサード通りへ2号店をオープンしました。オリジナルのサンタモニカ店は、東海岸で長年かけてロブスターロールと沿岸の町に点在する「ハマグリ小屋」を楽しんで過ごしたジェニー・ラッシュが、地元サンタモニカへこの食べ物を切望したのが始まりです。太平洋の夕陽を眺めながら、オーシャン通りに完璧な空間を見つけた彼女は、そこをBlue Plate Oysteretteへ変えます。

 以来、近所の住人が日常的な食事の提供場所として利用するようになり、2009年以降は観光客も引き寄せてきました。また、出前が近所の住人へは人気を博しているようです。そんなBlue Plate Oysteretteがサード通りに2号店を出すというので、ハリウッドの住人はかなり期待しながら予定は遅れ、ようやくオープンしたところです。

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#15

 写真は左から「生牡蠣(#11)」、「グリルド・オイスター(#12)」、「クラム(#13)」、「フィッシュ・アンド・チップス(#14)」、「ロブスター・マック・アンド・チーズ(#15)」。

 こうしてハリウッドで生牡蠣や様々な海鮮料理を味わえるようになったのは喜ばしい反面、それを受け入れる客層が未知数なので、心配なのはどこまで続くか?・・・・・・それが杞憂に終わることを祈っています。

横 井 康 和      


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