京都で焼肉を


 前々回、「肉を食べるなら・・・・・・日本スタイル篇」で日本の肉料理をご紹介した時、焼肉は意識的に除外しました。その理由はすき焼き、しゃぶしゃぶ、鉄板が日本の代表的な肉料理であるいっぽう、焼肉のルーツは韓国と言うこともありますが、それより焼肉はお店毎でけっこうスタイルが違うからです。というわけで、今回は京都の焼肉屋を3軒ご紹介しましょう(便宜上、料理の写真へ番号を付けてありますが、これらの番号は店と無関係です)。

はつだ
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■はつだ

京都市左京区山端柳ヶ坪町17-3
075-722-8179

 30年続く和牛焼肉の専門店、良質な和牛を揃えるため、あえて産地にはこだわっていません。一手間加えた特製のタレで頂く肉は絶品で、遠方から訪れるお客も後を絶たない人気店です。タン塩、上バラ焼、テッチャン焼からレバ生まで、どれも正統派で、タン塩へ振りかけた山椒が京都らしくて新鮮な味わい。また、決して安いとはいえないロース、カルビ系と比べ、レバ生その他のサイド・ディッシュがリーゾナブルといえるでしょう。

 ちなみに、ここ「はつだ」の特選和牛弁当は出張族へ人気のお弁当で、本店以外JR京都伊勢丹の地下2階で買えますが、そっちは朝まとめて当日分の入荷があった後、だいたい夕方までには売り切れてしまいます。出張族の中でも「はつだの特選牛肉弁当」のため京都下車するファンがいるとか。

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#5

 写真は左から「タン塩(#1)」、「上バラ焼(#2)」、「テッチャン焼(#3)」、「レバ生(#4)」、「和牛弁当(#5)」。和牛弁当のみは本店以外、JR京都伊勢丹の地下2階で買えます。


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■弘

www.yakiniku-hiro.com
京都市中京区三条通木屋町上ル上大阪町527
075-213-5000

 「弘」の特徴は、そのチェーン展開が可能とする牛の一頭買いです。始まりは平成9年(1997年)、千本三条の1号店が母体である精肉店「ミートショップ・ヒロ」の4軒隣りにオープンした時で、それから18年経った現在は、「京やきにく懐石」として「八坂邸」と「祇園山名庵」の2軒、「京の焼肉処」として「千本三条本店」、「木屋町店」、「先斗町店」、「京都駅前店」の3軒、お肉屋さんの「夜ごはん」というコンセプトの「弘商店」として「烏丸錦店」、「四条高倉店」の2軒、合計8店舗を狭い京都市内で展開しています。

 加えて、もともと母体が精肉店ですから肉の仕入れはお手の物。そこへ「岡野農園」や「Blue Lemon Farm」といった農園と契約することで、新鮮な野菜を産地直送で提供できる態勢を整えているのが強みです。

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#6
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#10

 写真は左から「ナムル盛合わせ(#6)」、「上ミノ塩焼きと牛タン塩焼き(#7)」、「ハツ黒胡椒焼き(#8)」、「牛ハラミ(#9)」、「冷麺(#10)」。

錦へんこつ
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■錦へんこつ

www.nisikihenkotsu.com
京都市中京区富小路通錦上ル東側高宮町593
075-212-1955

 先の2店と比べると歴史や規模では劣りながら、錦市場の一角で独自の存在感を発揮しているのが、この「へんこつ」です。焼肉屋といえば、決め手となるロース、カルビ系のいっぽうで、タンの美味しさは大きなポイントとなります。ここの場合、ネギ塩タンも然ることながら、厳選した牛タンの霜降り部分のみを厚切りにした厳選上タンやタンシチューも悪くありません。

 また、贅沢に厚く切ったヘレ肉や極上カルビが肉好きへはたまらない他、赤ツラミ、牛フォアグラ、ハチカブ、バサ、その他、日替わりで入荷する新鮮なホルモンも売り物の一つです。

 あと、「厳選黒毛和牛コース」を頼むと最後の〆で普通のメニューにないカレーライスが出てきたりもします。この和牛コース、月ごとで内容は変わりますが、たとえば、まずサラダから始まり、黒毛和牛刺身→厚切りサーロイン→厚切りサムギョプサルとカルビ→黒毛和牛ホルモン→和牛3種、それから前述のカレーと続いて約3千円(全9品)と、たいへんお得です。タレはホルモン用と赤身用の2種類があり、前者はかなりあっさりしてます。これでもまだ物足りないという方がいれば約4千円のコース(全12品)もあり、若いグループへ人気を博しているのは納得です。もちろん、ゆっくりと焼肉を味わいたいという年配の方にもお薦めします。

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 写真は左から「ネギ塩タン(#11)」、「特選焼レバー(#12)」、「上ミノ(#13)」、「幻の和牛イチボ(#14)」、「ビビンバ(#15)」。〆のビビンバとか冷麺はどの焼肉屋でもありますが、ここでは加えてタンシチューやカレーライスまで出すところがユニークです。

 京都と限らず焼肉屋といえば、それこそ韓国系の日本人が多い地域なら昔から腐るほどあるでしょう。ただ、そういう店の多くは若い女性客が入りやすい環境とは決して言えませんでした。それがこの何十年かで変わり、今回ご紹介した3軒などは客の半数が女性だし、女子会を開いている女性だけの客も少なくありません。そして、これら3軒ばかりでなく女性好みの店は増え続けています。京都駅から近い「やまだるま」や「焼肉の文屋」など、紹介したい店はまだまだありますが、それらはまたの機会へ譲りたいと思います。

横 井 康 和      


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