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(1996年10月1日)          




少し訛って“ジュラシック・ページ”

映画の大ヒットばかりか、セガ・ジェネシスのファミコン・ゲームからハリウッドはユニバーサル・スタジオの総工費100億円をかけたアトラクションと、限りなく広がり続けるジュラシック・パーク・パワーが、いよいよサイバー・スペースを攻めています。“ジュラシック・パーク−オンライン・アドベンチャー”と題したホームページでは、食うか食われるかの恐竜ハンティング・ゲームを楽しめるほか、提供のユニバーサル・スタジオが自社のグッズを販売するショッピング・ページやテーマパーク内の情報ページなど、僕自身、なかなか楽しめました。ただ、ゲームにはネットスケープ・ナビゲーター2.0かマイクロソフト・エクスプローラー3.0が最低必要な上、ダウンロードは極度の忍耐を強いられます。わが“ハリウッド最前線”の3Dページ“バーチャル・リアリティーへのご招待”を試そうとして途中で諦めたかたなど、まず希望は持てません。それを確かめるため訪れてみるのも、一考かもしれませんが・・・・・・?


      

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してありますが、そこから右図のページまで到達できるかどうかが問題でしょう!






実り(?)の秋

夏休みのブロックバスター・シーズンも終わり、ハリウッドでは感謝祭休日(11月末)に向かって秋のシーズンがスタートしようとしています。そこで、10月から11月にかけての話題作を公開予定順に探ってみました。


“すべてをあなたに”(10月4日全米公開)

時は1964年、無名のロック・バンド“ワンダーズ”はロサンゼルスを目指す。そして、スター街道を突っ走り始めた彼らが到達する自己破滅・・・・・・このナレーション形式で描かれたドラマは、トム・ハンクスが初めて脚本、監督を担当した映画ということで脚光を浴びています。本人はほんのチョイ役で出演している以外、メイン・キャスト全員が無名の新人ばかりという異例の作品。リードボーカルで恥ずかしがり屋の青年を好演しているのはジョナサン・シャーチ("キルトに綴る愛")という新人です。ひょっとしたら、この作品でスターの仲間入りをするかもしれませんね・・・・・・ともあれ、オールディーズ満載のサウンドトラックでビート抜群の映画です。(「6月16日最新情報」に関連記事)

“チェンバー/凍った絆”(10月11日公開)

またまたジョン・グリシャムのベストセラー小説を映画化した裁判ドラマ。人種差別絡みの殺人事件で死刑宣告を受けたKKK(クー・クラックス・クラン)のメンバーである祖父(ジーン・ハックマン)を、なんとか救おうとした若手弁護士が肉親への愛情と人間としての道義の板挟みに葛藤します。この法学科を出たての弁護士を演じるクリス・オダネル("バットマン・フォーエバー")は、現在公開中のグリシャム作品“評決”で最終選考まで残りながら主役を得られなかったという曰くつき。彼の迫真の演技と、ハックマン扮する身の毛もよだつ冷酷な人種差別主義者が、観客へタイトル(チェンバー=死刑執行室)の意味を訴えかけてくる映画です。監督は“フィアー”のジェームズ・フォーリー。(「6月1日最新情報」に関連記事)

“ゲット・オン・ザ・バス”(10月16日公開)

昨年話題になった社会的イベント、ワシントンの“百万人の行進”に参加したロサンゼルス市中南部出身の黒人15人の物語です。240万ドルという、スパイク・リー監督としては“シーズ・ガット・ハヴ・イット”以来の低予算映画であるこの作品、ダニー・グラバー("リーサル・ウェポン"シリーズ)、ウェスリー・スナイプス("ライジングサン")、ウィル・スミス("バッド・ボーイズ")、そして、かのO・J・シンプソン裁判で活躍したコーコラン弁護士等の黒人パワーが投資家となり、21日間で撮影しました。

“スリーパーズ”(10月18日公開)

ニューヨークのヘルズ・キッチンといえば恐ろしいギャング地域。そこ出身の不良少年4人が少年鑑別所へ送られ、守衛達から拷問と強姦の屈辱を受けたのが始まりです。少年達のうち成人して元守衛を殺害した二人を、地方検事とジャーナリストとなった残る2人が救う復讐ストーリー。監督は“ディスクロージャー”のバリー・レビンソン、若き地方検事役にブラッド・ピット、ジェイソン・パトリック("スピード2")がジャーナリスト役を演じる他、少年達の友人かつ成長した彼等をバックアップする牧師役でロバート・デ・ニーロ、アル中の弁護士はダスティン・ホフマン、冷淡極まる守衛にケビン・ベーコン("アポロ13")と、超豪華キャストの期待作です。

“ナイトウォッチ”(10月18日公開)

イギリス映画“トレイン・スポッティング”で脚光を浴びた新人スター、イワン・マクレガーのアメリカ・デビュー作です。死体置き場で夜間ガードマンのアルバイトをした学生が殺人事件の容疑者に仕立てられるスリラーで、学生役のマクレガー以外、アメリカの若手俳優ジョッシュ・ブローリン("グーニーズ")やベテラン俳優ニック・ノルティー("マホランド・フォールズ")が共演しています。

“ロミオとジュリエット”(10月18日公開)

オーストラリアのダンス映画“ボールルーム”で注目されたバズ・ルーマン監督が、現代のフロリダ州南部を舞台にシェークスピアのクラシックをリメイクした作品。“バスケットボール・ダイアリーズ”のレオナルド・ディキャプリオがロミオ、人気上昇中の新人クレア・デーンズがジュリエットに扮し、CGとロック音楽を背景に衛星放送ディッシュやエレベーター完備の豪邸で熱演する悲恋・・・・・・

> “マイケル・コリンズ”(10月23日公開)

1921年に英国からアイルランドを独立させた革命闘志を描いた、リアム・ニーサム("シンドラーズ・リスト)主演のこのアクション・ドラマは、過去ジョン・ヒューストン("駅馬車")、マイケル・チミノ("ディアーハンター")、ケビン・コスナーといった大物監督が映画化を狙っていた人気企画だけに、興奮の連続ともいえるストーリーラインです。監督は“クライング・ゲーム”のニール・ジョーダンでベニス映画祭グランプリ受賞作。

“逢いたくて”(10月24日公開)

いつまでたっても亡くなった妻(ミッシェル・ファイファー)が忘れられず、その幽霊と話すようになる男のロマンチックな映画。“貴方が寝ている間に”で事故死をする好青年役のピーター・ギャラガーが、切ない男心を繊細に演じ、ノスタルジックな雰囲気をかもしだしています。また、舞台となるマサチューセッツ州の沖合にある孤島ナンタケット島の美しい風景も見ものです。

“身代金”(11月8日公開)

メル・ギブソン主演、ロン・ハワード監督("アポロ13")、この秋屈指の目玉映画! ギブソンの役柄は、セントラルパークを望む豪華マンションでレネ・ルッソ("ゲット・ショーティー")扮する美貌のワイフや10歳の息子と優雅に暮らす、ニューヨークの不動産王ドナルド・トランプなみの富豪。その息子を誘拐した犯人からランサム(身代金)の要求があったのをきっかけに、彼の人生は一転してゆきます。息子奪回に燃える父親役を迫真の演技で迫るメル、さすが実生活でも6人の子持ちだけのことはあるようです。なお、俳優ニック・ノルティーの息子ブラウリーが息子役に抜擢されています。

“ジングル・オール・ザ・ウェイ”(11月15日公開)

ご存じシュワルツェネッガーの秋から年末休暇を狙った超大型アクション・コメディー。ごく普通のお父さん(?)が子供にせがまれ、クリスマスイブ、必死で人気ナンバーワンの玩具を手にいれようとするこの映画が普通じゃないのは、製作予算80億円という製作予算でわかります。ハイテク満載の「ターボマン」という玩具もよく出来ており、シンバッド("ファースト・キッド")扮する郵便局員とアーノルドがそれを奪い合うシーンは必見もの、家族で楽しめる映画です。“ホームアローン”を監督したクリス・コロンバスのプロデュースで、“フリントストーン”や“ベートーベン”を作ったコメディーの天才、ブライアン・レボントが監督という豪華版。

“スペース・ジャム”(11月15日公開)

ワーナーブラザーズが100億円を投じて製作した、バスケットボール界のスーパースター、マイケル・ジョーダン(シカゴ・ブルズ)主演の期待作。アニメと絡み合わせたこの映画は、宇宙規模の遊園地を経営する悪徳オーナーが営利のため地球の人気アニメ・キャラクターを誘拐しようとした結果、バッグズ・バニーの知恵で決着はバスケットボールの試合でつけることになります。悪人チームに加担したNBAスターのチャールズ・バークレー(ヒューストン・ロケッツ)やパトリック・ユーイング(ニューヨーク・ニックス)を相手取り、ジョーダンとアニメの共演者(?)たちが活躍する子供向けファンタジー映画です。

“101”(11月27日公開)

ディズニーが放った往年の名作アニメの実写版。魔女的なクルエル・デ・ビルをグレン・クロース("危険な情事")がハマリ役で演じている他、ところ狭しと駆け回る200匹以上のダルメシアン犬は“エース・ベンチュラ”を手がけた映画動物トレーナーの第一人者ゲーリー・ゲロの訓練により、大人も結構楽しめるファミリー映画といえるでしょう。

“クルーシブル”(公開日未発表)

ダニエル・デイ・ルイス("父に祈りを")、ウィノーナ・ライダー主演のこの映画は、マサチューセッツ州セーラムで実際に起こった魔女狩りがテーマの時代物ドラマです。既婚の農夫(ルイス)と恋に落ちた17歳の少女が、農夫の妻に係わる事件で魔女と判断されてしまう、現代社会では信じられないような物語。“マッドネス・オブ・キング・ジョージ”でイギリス映画界の救世主となったニコラス・ハイトナーが監督しています。(「5月16日最新情報」に関連記事)

さあ、読書の秋ならぬ映画鑑賞の秋! 盛り沢山の中からどの作品がヒットするんでしょうね?





スピルバーグの野心

アカデミー賞を受賞したバリー・レビンソン監督("ダイナー")の“レインマン”は、ダスティン・ホフマンが自閉症患者を見事に演じた傑作でした。意外と知られていないのは、最初あの作品がスティーブン・スピルバーグ監督のために作られた企画だということです。そのスピルバーグ監督は現在、アスパーガー症という一種の自閉症に冒された患者同士の恋愛から結婚へ至る実話に基づく“ニューポート”という映画を企画中。“レインマン”の脚本家ロン・バスが書いたアウトラインを彼の製作会社であるドリームワークスが2億円で買い取り脚色をしているモデルとなった人物ジェリー・ニューポートは、映画“レインマン”を見るまで自分が自閉症患者とは知らなかったそうです。ダスティン扮する映画のキャラクターと同じく数字の天才であり、奥さんのメアリーが作曲家として活躍するジェリーを演じる候補には、早くもロビン・ウィリアムスの名が上がっています。
 

影なき狙撃者

1962年に製作されたフランク・シナトラ主演、ジョン・フランケンハイマー監督のスリラー“影なき狙撃者”が、現在フランクの娘ティーナ・シナトラによりリメイク版(“クライシス・オブ・アメリカ”)の企画進行中です。この作品は、共産主義国のスパイによって洗脳された狙撃手が大統領暗殺を企てるストーリーで、公開1年後に起きたケネディー暗殺事件との関連性で話題になりました。じつは、この映画を製作するにあたってフランクが友人だったケネディー大統領を通じ、製作スタジオのUA(ユナイテッド・アーティスト)会長アーサー・クリムへ根回しした経緯もあり、ケネディー暗殺後は映画の版権所有者フランクの意向によって1988年の再公開までお蔵入りしていたのです。時代が移り変わろうと、物語の背景である政界の権力、名誉欲、偏見などは普遍のものだけに、はたして'90年代のリメイクがどう描かれるのか今から楽しみです。結構おもしろい筋書になるかも・・・・・・!?
 




(1996年10月1日)

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