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(2016年6月)          




ブラックの新作

ライアン・ゴズリングとラッセル・クロウが、先日ニューヨークのAOLで行われたイベントで現在全米ヒット中の主演作「ナイス・ガイズ」について語りました。本作は1970年代のロサンゼルスが舞台となり、主人公は腕っぷしの強い示談屋ヒーリー(クロウ)と娘ホリーを持つ不運な私立探偵マーチ(ゴスリング)。偶然のきっかけからコンビとなった2人が、ポルノ映画絡みの失踪殺人事件へ隠された陰謀を暴いていくというものです。メガホンを取ったのは「リーサル・ウェポン(1987年)」の脚本や「キスキス,バンバン(2005年)」の脚本監督を担当したシェーン・ブラック(写真)で、フィルム・ノワール調の作品に仕上がっています。クロウ曰(いわ)く、「とても滑稽だが内容は濃く、たくさんの出来事が起き、多くの特徴あるキャラクターも登場するんだ。この脚本は僕がこれまで手渡されたコメディー作品の脚本、あるいは自分が思い描いてきたコメディー作品、また自分で経験してきたどのコメディー作とも異なっていたよ。脚本の中では完全な世界観が作り上げられていて、僕自身もその世界観のキャラクターへ自分を投影することができた。僕の演じるヒーリーは不合理な状況下に置かれるが、もともとコメディー自体、そんな不合理な状況下で描かれるものだと思う」と、その内容へ惹(ひ)かれたようです。いっぽう、ブラックとのタッグについてゴスリングは、「彼の家で会合した時、本がたくさんあって、そのほとんどが犯罪推理(ノワール)小説だった。彼はノワール作品の上級(マスター)クラスの講義ができるほど知識があるんだ。その知識を統合して、この作品を自分の声として描き、ありふれた陳腐な表現はせず、あえて観客の概念を覆した別の表現をしているため、観客がベストな構成を新鮮な感覚で観られる」と答えています。



悪役セロン

人気シリーズ「ワイルド・スピード」の第8弾から、「マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015年)」の女戦士フュリオサ役での活躍が記憶に新しい女優シャーリーズ・セロン(写真)40歳の演じる新しいキャラクターの名前とその姿が発表されました。キャラクターの名前はサイファーという悪役で、髪をポニーテールに束ね、ヘヴィメタル界の大御所ロックバンド、メタリカのTシャツとジャケット姿のセロンが、マシンガンの並んだ部屋でポーズを取っています。同写真へ添えられたキャプションを見ると、「僕たちのクルーは元軍人や傭兵などに立ち向かってきた。そして今回、彼らはサイファーとご対面だ」と書かれており、その悪役振りが今から楽しみです。「スノーホワイト/氷の王国(2016年)」の主演女優は今回、ヴィン・ディーゼル、ドウェイン・ジョンソン、タイリース・ギブソン、ミシェル・ロドリゲスらを相手取り大暴れ、車の映画なら「ミニミニ大作戦(2003年)」や「怒りのデス・ロード」でも経験しています。それ以外のキャストとして、前作で敵役デッカード・ショウを演じたジェイソン・ステイサムやコンピュータ・ハッカー、ラムジー役を演じたナタリー・エマニュエルがカムバックする他、クリント・イーストウッドの息子スコット・イーストウッドも名を連ね、メガホンを取るのは「ストレイト・アウタ・コンプトン(2015年)」のF・ゲイリー・グレイ監督、2017年4月14日全米公開の予定です。なお、ディーゼルがインスタグラムへポストしたビデオによると、本作では「登場人物とつながる暗い場所へ行く」と語っており、2013年の車の事故で死亡した彼の親友でもある共演者ポール・ウォーカーの思い出シーンが挿入されるかもしれません。



悪役キートン

現在、マイケル・キートン(写真)が「スパイダーマン:ホームカミング」へ出演の最終交渉に入っているそうです。今年の4月頃からキートンの同作品への出演は噂となっていたのですが、ここにきてようやくスパイダーマンの敵、ヴァルチャーとして登場する形で決着がつきそうだといいます。そうなると、かつてティム・バートン監督作「バットマン(1989年)」で主役を演じたキートンとしては、DCコミックからマーベルへ鞍替えということになるわけです。コミック作家スタン・リーとスティーブ・ディットコが生み出した悪役ヴァルチャーは、強さと生命力を増強させる翼を使うキャラクターで、ビジネス・パートナーに資金を横領され、苦い思いと復讐心から犯罪へ手を染めるようになります。そんなヴァルチャーが、デイリー・バグル紙のため自らの写真を撮ろうとしたトム・ホランド演じる高校生ピーター・パーカーと出くわし、争いを繰り広げるのです。ロバート・ダウニー・Jr演じるアイアンマンことトニー・スタークとピーターは「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016年)」で初顔合わせをしており、同作品の中でスタークがパーカーをアベンジャーズの仲間へ引き入れました。パーカーの叔母メイ役はマリサ・トメイが、トニー・レヴォロリとローラ・ハリアーがパーカーのクラス・メイト役で出演する他、役どころはまだ発表されていませんが歌手で女優のゼンデイヤも、十代のピーター・パーカーを描いた本作に登場します。脚本はジョン・フランシス・デイリーとジョナサン・ゴールドスタインが書き、監督はジョン・ワッツ、プロイデューサーを務めるのは「スパイダーマン3(2007年)」や「アメイジング・スパイダーマン(2012年)」のケヴィン・ファイギとアミー・パスカルです。



悪役ブランシェット

「ソー:ログナロク」へ出演するケイト・ブランシェット(写真)の役どころは、とてつもなく極悪であると、共演者のマーク・ラファロが明かしています。ハルク役でお馴染みのラファロは、ブランシェット演じるロキの娘ヘラの役どころが、「とてつもなく極悪なんだ。かなりあくどいよ。彼女は僕らを殺そうとする。その役を彼女が演じるっていうのは素晴らしいけどね」と「エンターテインメント・トゥナイト」で語りました。また、自らの役どころについて聞かれると、「凄いよ。もっとハルクが登場するんだ。ハルクがもっとハルクらしくなる感じで・・・・・・大きくなったハルクはハルクらしく、より大きくなるんだ」と続けました。いっぽう、同作品のメガホンを取るタイカ・ワイティティ監督が、「この作品の中にある僕の強みは、他とかなり違った形のユーモアなんだ。以前ならそれがジョークみたいな感じだったりしたんだけど、僕のやっていることはもしかしたら新鮮なスタイルかもしれない。その結果、全体的な感じが少し変わると思う。僕はクラスへ編入した新しい生徒みたいなものさ。みんな良い人達だし、すでに何人か良い友だちも出来た。そして、みんなができる限り最高のストーリーを作りたいんだ。みんなの想像しているよりも、おそらくもっと協力的な感じなんだよ。一人がみんなへ命令しているような形ではなくてね。みんなで話し合い、『これはどうだろう』、『そうするべきじゃないと思うな』って感じさ。協力し合って作品を作り上げていく劇場出身の僕が慣れているやち方でもあるんだ」と語っています。そんな中、トム・ヒドルストンは本作を最後にロキ役を降板するようです。もっとも、マーベルの製作陣が「アベンジャース:インフィニティー・ウォー」へロキを登場させるとなると、ヒドルストンの気も変わるのではないでしょうか?



ヘムズワースのイメージ・チェンジ

30年ぶりに全員女性の新生ゴーストバスターズとして蘇る大作「ゴーストバスターズ(2016年)」で受付男子ケヴィン役を演じるのがクリス・ヘムズワース(写真)、出世作である「マイティ・ソー・シリーズ」からは180度の方向転換です。ニューヨークが舞台のこの映画、コロンビア大学の素粒子物理学博士エリン・ギルバート(クリステン・ウィグ)は世界で初めて心霊現象を科学的に証明する研究を重ねていたものの、大学側から研究費を打ち切られ、その知識と技術力を活かすため幽霊退治を行う会社「ゴーストバスターズ」を起業します。そんなゴーストバスターズへ所属する女性たちの活躍を描いた中で、「紅一点」ならぬ「黒一点」がゴーストバスターズ社の受付男子ケヴィン(ヘムズワース)でした。「この役のオファーを受けた時、すぐ出演を決めたんだ。マーベル作品のように自分で作品を背負わなくていいしね。友人や親戚のおじさん、おばさんとか、普段は僕のキャリアへ全然興味を示さない人たちまでが(出演するのは)『いいわね!』とか『素晴らしいことだし、賢い決断だよ!』と言ってきた。多くの人達がオリジナル作品のファンだと実感したよ」と、これまでなかった周囲の反応で驚いたそうです。そんなソー役をも凌ぐ反響へ驚いたものの、同役でブレイクしただけあって、そのイメージからの脱却に苦戦している様子も窺(うかが)わせています。「ソーは明らかに誰もが知るヒーローで、そのイメージへ囚われている気がするんだ・・・・・・ソーのイメージは間違いなくあの肉体や外観、そしてひたむきなところにある。神だしね。しかし、今回の役はまったく正反対なんだ。そういったものすべてをおちょくっているんだよ」と、真逆なキャラクターがすっかりお気に入りのようですよ。



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