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(2016年7月)          




ローレンスのポスター

現在、全米公開中(日本では8月11日公開)の「X-MEN:アポカリプス」の宣伝用ポスターが物議を醸しています。問題となったポスターは、ジェニファー・ローレンス演じるミスティーク(写真左)が悪役アポカリプス(写真右)に首を絞められ絶体絶命という写真のシーンへ、「強者のみが生き残る」というキャプションが入ったものです。発端は「グラインドハウス(2007年)」などで知られる女優ローズ・マッゴーワンを筆頭とする、女性の人権問題や女性に対する暴力問題に敏感な人達から、「男性に首を絞められている女性のシーンを映画の宣伝へ使用するなどもってのほか!」とクレームがついたことにあります。マッゴーワンはそんな人たちの怒りを代表するかのごとく、業界紙「ハリウッド・リポーター」を介して20世紀フォックスへ次のような公開状を突きつけました。「これほど失礼な広告を出す際、社内で異議を唱える人がいなかったなんて信じられません。もし、この画像が白人男性に首を絞められている黒人男性であったり、ゲイではない人がゲイの人へ乱暴をしていたりするものだったら、どうなると思いますか? きっと大問題になるでしょう。お宅のスタジオは、向こう2年間女性監督を使った劇場作品が皆無という話だけれど、せめてこの広告を差し替えてくれませんか?」という皮肉たっぷりの公開状は大炎上となりましたが、じつは問題のポスターが公開されたのは半年近く前なのです。それ以降、アメリカ国内外から使用されている映像が不適切であると苦情を受け取りながら、20世紀フォックスはなんら対処しようとせず、今回マッゴーワンが業界紙を使って直接配給会社へ訴えた結果、やっと謝罪に踏み切りました。



アフレックは語る

DCコミックのヒーロー達が勢揃いする「ジャスティス・リーグ」は、現在、着々と撮影が進行中です。前作「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」同様、バットマンを演じるベン・アフレック(写真)は、次のように語っています。「究極の一匹狼であるバットマンが、新作ではチームをまとめ、同盟を結成するという使命を与えられ、さらなる強大な敵と立ち向かうため、特殊能力を持ったメタヒューマンのチームを立ち上げようとするんだ。バットマンが世界一の探偵であるという要素が前作よりも色濃く見られると同時、前作とはガラッと趣が異なり、アンサンブル映画になっている」そうです。アフレックはまた、新作でのバットマンを「限界まで追い込まれた男でなく、ある意味振り出しに戻った男」と位置づけ、「自分のしたことの埋め合わせをしようとしている。そして人類へもそうしてほしいと願っている。前作で重要なことを学び、世界をより良いところにしようとしているんだ。バットマン、ワンダーウーマン(ガル・ギャドット)、フラッシュ(エズラ・ミラー)、アクアマン(ジェイソン・モモア)、サイボーグ(レイ・フィッシャ−)らが結集することで希望や協力が生まれる一方、葛藤(かっとう)も生まれる。キャストたちは、自分が演じるキャラクターへある種独特のエネルギーをもたらしている。たとえば、前向きでいつも興奮している青年フラッシュの横で、バットマンはどうするのだろう? そういう状況はバットマンにとって自然じゃない。だから楽しいんだ。他のスーパーヒーローたちが存在する世界だから、そこへは必然的にコミカルな要素があり、前作よりユーモアの入る余地はあるね」とも語っています。アフレックが製作総指揮も兼ねる「ジャスティス・リーグ」、全米公開は来年(2017年)11月17日の予定です。



セロンは語る

去年の作品ですが、日本では現在ようやく公開中の「ダーク・プレイス」、主演のシャーリーズ・セロン(写真)が製作もかねています。物語は、1985年、米カンサス州の田舎町で母親と娘2人が惨殺され、唯一生き残った8歳の末っ子リビーが15歳の兄ベン(タイ・シェリダン)の犯行を証言したため、ベンは終身刑を宣告されるのです。やがて、31歳になったリビー(セロン)のもとへ、有名事件の真相を追う「殺人クラブ」から招待状が届いたのをきっかけとして、事件の意外な真相が明らかになってゆきます。原作は「ゴーン・ガール(2014年)」でも知られる小説家ギリアン・フリンのベストセラーで、セロンは「ギリアンや彼女の作風へ共感するわ。女性の描き方が見事だと思う。すごくリアリティがあるから、読者からも共感を得ているのよ。ギリアンとは彼女自身がカメオ出演で来た時、初めて会ったわ。リジーという役で出演しているの。『殺人クラブ』で斧を持って座っているのよ。面白い人だし、引き受けてくれて良かった」と明かしています。「ギリアンといっぱい話して誕生の経緯などを聞いたから、リビーはお気に入りの役なの」と、キャラクターの生みの親と対話することで愛着が強まったというセロンは、「(コリー・ストール演じる成長した)ベンとのシーンが好き。とてもダイナミックさを感じるわ。リビーの記憶は曖昧なの。兄は犠牲者なのか悪者なのか?・・・・・・自分が彼を刑務所送りにしてしまった恐怖もある。だけど、リビーは兄と会い、恐怖じゃなくて怒りがこみ上げてくるの。彼とのシーンでお気に入りの部分よ。役者の血が騒いだわ」と、楽しげな表情で振り返りました。他のキャスティングは、ニコラス・ホルトが「殺人クラブ」のメンバー・ライルを、クロエ・グレース・モレッツが犯行当時のベンの恋人ディオンドラを、それぞれ演じています。



ダース・ベイダーのカムバック

「スター・ウォーズ・シリーズ」の新作「ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー」へダース・ベイダー(写真)が登場し、オリジナルの声優ジェームズ・アール・ジョーンズがカムバックすると発表されました。現在85歳のジョーンズは、TVアニメ「スター・ウォーズ 反乱者たち」でも同役の声を担当しています。一方、「エピソード5 帝国の逆襲(1980年)」や「エピソード6 ジェダイの復讐(1983年)」で実際にベイダーを演じたデビッド・ブラウズは、現在80歳で復帰ならず、エンタテインメント・ウィークリー誌が報じたところでは、長身の俳優数人が「ローグ・ワン」でベイダー役を演じるようです。この「ローグ・ワン」は「エピソード3 シスの復讐(2005年)」と「エピソード4 新たなる希望(1977年)」をつなぐ物語で、一匹狼のヒロイン、ジン・アーソ(フェリシティ・ジョーンズ)と反乱軍の仲間が、帝国軍からデス・スターの設計図を奪う決死のミッションへ挑む姿が描かれています。舞台はアナキン・スカイウォーカーがダークサイドに落ちて約19年後、ベイダーは帝国軍のフィクサーであり最後の手段のような存在です。ただ、プロデューサーのキャスリーン・ケネディが、「出番は多くないけれど、物語の鍵となる極めて重要な場面で大きく立ちはだかる」と明かしたとおり、ギャレス・エドワード監督がメガホンをとる今作はベイダーがメインの悪役ではありません。メインの悪役となるのがベン・メルセデスソーン演じるオーソン・ケルニック、野心に満ちた帝国軍の将校で、目的のためには手段を選ばず、皇帝に近いポストを狙っているキャラクターだと、プロデューサーのジョン・ノールは説明しています。この「ローグ・ワン」、12月16日の全米公開予定です。



ニューヨーク・プレミア

先月(6月)24日の全米公開(日本では7月23日公開)に先立ち、ブレイク・ライヴリー(写真)主演作「ロスト・バケーション」のニューヨーク・プレミアが開かれ、ライヴリーらキャスト陣やジャウマ・コレット=セラ監督は、海を舞台とした本作にちなんでレッド・カーペットならぬブルー・カーペットへ登場しました。バケーションを利用して秘境の島を訪れたサーファーで医学生のナンシー(ライブリー)が、大きな太陽に照らされて輝く砂浜、人のいない真っ青な海。日常を忘れ、ひたすら波と戯れる至福の時間は、「海のモンスター」によって一変します。脚を負傷しながらも無我夢中で近くの岩場へたどり着いたナンシー、自分が絶望的状況に追い込まれたことを知るのです・・・・・・岩場にたった1人、周囲を巨大サメが泳ぎ回る、という極限の中を生き延びようとするヒロインを熱演したライヴリーは現在、「グリーン・ランタン(2011年)」で共演した良人のライアン・レイノルズとの間にもうけた第2子を妊娠中。それでも、今年度カンヌ国際映画祭のレッド・カーペットでボディー・ラインを強調した華麗なドレスの数々でメディアの話題をさらい、今回のプレミアでも、彼女の美しいドレス姿が会場のマスコミ陣を魅了しています。会場のAMCリンカーン・スクエアは波をイメージした装飾が施され、劇中はほぼ全編、水着で挑んだライヴリーが、ニューヨークの人気ブランド「キャロリーナ・ヘレラ」のデコルテを強調した黒と白を基調としたチュール・ドレスに身を包み、「クリスチャン・ルブタン」の黒のハイヒールがエレガントな雰囲気を醸していました。加えて、本作のメガホンを撮ったセラ監督と、「フライト・ゲーム(2014年)」や「ラン・オールナイト(2015年)」などで何度も共演しているリーアム・ニーソンもブルー・カーペットへ登場し、マスコミ陣を沸かせています。



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