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(2017年7月)          




チャップリンの孫娘

TVシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」などの女優ウーナ・チャップリン(写真)が、ジェームズ・キャメロン監督作「アバター(2009年)」の続編へ出演することを、製作会社「ライトストーム」の社長ジョン・ランドーがスペインのバルセロナで開催されたイベント「シネヨーロッパ」で明らかにしました。チャップリンは母親が「ライムライト(1952年)」、「ドクトル・ジバゴ(1965年)」、「愛と哀しみのボレロ(1981年)」などで知られるジェラルディン・チャップリンで、祖父はあの偉大な喜劇王チャールズ・チャップリン、そのチャールズの4番目の妻ウーナ・オニールから名前を引き継いでいます。彼女が演じるのはヴァラングという力強く活力のあるキャラクターを演じるらしく、物語の中心人物となり、予定されている続編全4作へ出演するそうです。20世紀フォックスとライトストームが製作を進めている「アバター」第2弾は、前作に引き続きゾーイ・サルダナ、シガーニー・ウィーヴァー、サム・ワーシントンらが出演し、2020年12月18日の米公開を予定しています。そして第3弾は2021年12月17日、第4弾は2024年12月20日、第5弾は2025年12月19日の米公開予定です。オリジナルの「アバター」は、当時傑出した最新技術を駆使して世界市場で28億ドル(約3,08億円)近い興行成績を叩き出しました。第2弾の撮影は9月25日のクランクインが決まっています。ちなみに、チャップリンは「ゲーム・オブ・スローンズ」以降も今年から放映されている「タブー」や「クリムゾン・フィールド」のTVシリーズへ出演している他、映画では「007/慰めの報酬(2008年)」や「デビルズ・ダブル -ある影武者の物語-(2011年)」、そして比較的最近の「ザ・ロンゲスト・ライド」などを含む数多くの作品に出演してきました。



エアエンライクの演技コーチ

フィル・ロードとクリス・ミラー監督の降板が話題となった「スター・ウォーズ」のハン・ソロ主役の新作スピンオフ映画は、彼らだけでなく編集のクリス・ディケンズも解雇されていたことが明らかとなりました。両監督の降板は「創造上の相違」が原因と発表されたものの、関係者が語ったところルーカスフィルムは、彼らの撮影の進め方が遅い点、さまざまなアングルで撮らないため編集時の選択肢が少ない点、即興を重視し、シリーズへ長年携わってきたカスダン親子が執筆した脚本をどんどん変更する点をよく思っていなかったとか。いっぽう、ロードとミラー監督も制作上の自由がまったくなく、がんじがらめのスケジュールで、撮影初期から各シーンに十分な時間が与えられなかったと感じていたといいます。ルーカスフィルムはクランクインから3ケ月が経った5月、ディケンズを解雇してベテランのピエトロ・スカリアを雇い、また両監督がハン・ソロ役のオールデン・エアエンライク(写真)から引き出した演技へも満足していなかったため、彼のための演技コーチを雇いました。しかし、ルーカスフィルムの社長であるキャスリーン・ケネディはそれでも十分でないと感じ、脚本家トニー・ギルロイを追加招集した「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」同様、カスダンへその役割を負ってもらおうとしたものの、両監督はそれに応じず、2人は解雇されたもようです。後任に決まったロン・ハワード監督は、自分が監督となることでロードとミラーがどう思うかを心配しており、彼らへメールを送ったらしく、関係者は2人がハワードにとても協力的だったと語っています。ハワード監督は先月(6月)26日からロンドンで指揮を執っており、ロードとミラー監督が撮った素材の多くもそのまま使用するということです。公開日の変更はなく、2018年5月25日全米公開を予定しています。



ゴールデン・トレーラー賞

予告編のオスカーとして知られる第18回ゴールデン・トレーラー賞授賞式が先月(6月)6日、ロサンゼルスのサバン劇場で行われ、「ワンダーウーマン(写真)」がベスト・オブ・ショー(最優秀賞)とファンタジー・アドベンチャー部門最優秀予告編賞の2冠に輝きました。このゴールデン・トレーラー賞、もともとは世界各国の映画およびTV界の優れたマーケティングを称える目的で、1999年、エブリン・ワッターズとモニカ・ブレディが立ち上げ、ドラマ、コメディ、ドキュメンタリー、アクションなどの主要部門をはじめとする全115部門から成っており、その中には「もっとも独創性に富んだ予告編」や「最低の予告編」といったユニークな部門も存在します。設立者の一人であるワッターズは、「予告編が嫌いな人なんていないはず。ゴールデン・トレーラー賞は世界中の映画ファンの好奇心をかきたてるため、また予告編というアート形式を新たなレベルへ押し上げるため、無数の時間を費やして予告編の制作作業に励むスタッフを称える場です」とのことです。いっぽうブレディも、「年々応募数が増えているのは、本当に喜ばしい。予告編を手がけるアーティストや編集者へスポットライトを当てるのは、とても重要だと思う」と付け加えました。最後に長編映画部門の主な受賞結果を挙げておくと、

  アクション部門:「ベイビー・ドライバー」
アニメーション/ファミリー部門:「レゴバットマン ザ・ムービー」
コメディ部門:「ハウス」
ドラマ部門:「ダンケルク」
ファンタジー・アドベンチャー部門:「ワンダーウーマン」


「ワールド・ウォーZ」続編

ブラッド・ピット(写真)主演でヒットした2013年のゾンビ・パニック映画「ワールド・ウォーZ」、数年前から続編の話が浮上し、2015年には「インポッシブル(2013年)」の監督フアン・アントニオ・バヨナのメガホンで製作されると伝えられながら実現しませんでした。その続編企画が大きく前進しているらしく、これまでピットと何度もタッグを組んでいるデヴィッド・フィンチャーの監督で決まったとのことです。今年の3月、「ワールド・ウォーZ」を配給するパラマウントの会長兼CEOに就任したジム・ジアノプロスが、「ハリウッド・リポーター」とのとのインタビューで続編の進捗(しんちょく)を尋ねられると、「企画開発はだいぶ進んでいます」と答え、「デヴィッド・フィンチャーが監督ですか?」との質問へは「そうです。あとブラッド・ピットもいます」とシンプルですが明確に答えています。2006年に出版されたマックス・ブルックスの同名小説をベースとして、世界中へ蔓延した原因不明のウイルス感染によりゾンビ化した者と感染を免れた人間が存続を懸けて戦うさまを描く「ワールド・ウォーZ」、ピットは伝染病を調査し、ワクチンを開発するための任務に当たる元国連捜査官のジェリー・レインを演じました。1作目の監督は「007/慰めの報酬(2008年)」のマーク・フォースターが務め、続編は当初2017年7月9日全米公開を目指しバヨナ監督のメガホンで撮影されるはずが、彼は「ジュラシック・ワールド(2015年)」の続編「ジュラシック・ワールド:フォーレン・キングダム」の監督を務めるため降板しています。以前もフィンチャー監督が続編のメガホンを取るのではないかと憶測されていましたが、これでピットとフィンチャー監督の再タッグは確定となりそうです。



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