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(2018年2月)          




オスカー・レース先行馬

来月(3月)4日の第90回アカデミー受賞式に先立ち、今年も恒例の「ハリウッド最前線」の予想結果をお届けします。今年は去年の「ラ・ラ・ランド」のような目立った作品がなく、きわどい勝負となりそうです。

「シェイプ・オブ・
ウォーター」
ギレルモ・デル・
トロ
ゲイリー・
オールドマン
フランシス・
マクドーマンド
作品賞

「君の名前で僕を呼んで」、「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」、「ダンケルク」、「ゲット・アウト」、「レディ・バード」、「ファントム・スレッド」、「ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書」、「シェイプ・オブ・ウォーター」、「スリー・ビルボード」の9作がノミネートされた中から・・・・・・
本命馬: 「シェイプ・オブ・ウォーター」
対抗馬: 「スリー・ビルボード」
大穴馬: 「ファントム・スレッド」
監督賞

クリストファー・ノーラン(「ダンケルク」)、ジョーダン・ピール(「ゲット・アウト」)、グレタ・ガーウィグ(「レディ・バード」)、ポール・トーマス・アンダーソン(「ファントム・スレッド」)、ギレルモ・デル・トロ(「シェイプ・オブ・ウォーター」)がノミネートされた中から・・・・・・
本命馬: ギレルモ・デル・トロ
対抗馬: クリストファー・ノーラン
大穴馬: ポール・トーマス・アンダーソン
主演男優賞

ティモシー・シャラメ(「君の名前で僕を呼んで」)、ダニエル・デイ=ルイス(「ファントム・スレッド」)、ダニエル・カルーヤ(「ゲット・アウト」)、ゲイリー・オールドマン(「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」)、デンゼル・ワシントン(「ローマン・J・イスラエルEsq.」)がノミネートされた中から・・・・・・
本命馬: ゲイリー・オールドマン
対抗馬: ティモシー・シャラメ
大穴馬: デンゼル・ワシントン
主演女優賞

サリー・ホーキンス(「シェイプ・オブ・ウォーター」)、フランシス・マクドーマンド(「スリー・ビルボード」)、マーゴット・ロビー(「アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル」)、シアーシャ・ローナン(「レディ・バード」)、メリル・ストリープ(「ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書」)がノミネートされた中から・・・・・・
本命馬: フランシス・マクドーマンド
対抗馬: サリー・ホーキンス
大穴馬: メリル・ストリープ
去年はもう少しでパーフェクトというところまでいきましたが、今年の結果はどうなることやら?



ワンダーウーマンのライバル

マーベル・スタジオの「アベンジャーズ・シリーズ」などでスカーレット・ヨハンソン(写真)演じる女性ヒーロー、ブラック・ウィドウの単独映画がいよいよ始動しています。ブラック・ウィドウことナターシャ・ロマノフは、高い運動能力を誇る魔性のスパイで、世界最高の暗殺者としても知られるキャラクターです。ヨハンソン演じるブラック・ウィドウが初登場したのは「アイアンマン2(2010年)」、以来、根強い人気を誇っています。多くのファンがブラック・ウィドウの単独映画を望み、ヨハンソン自身もかねてから乗り気でした。そして今年に入ってすぐ、短編「アナと雪の女王/家族の思い出(2017年)」を手掛けたジャック・シェイファーが脚本家へ抜てきされたと報じられ、正式なゴーサインは出ていないものの、水面下で進められていることが明らかになったのです。続いて今回、ヨハンソンは2,500万ドル(約27億5,000万円)で契約を結んだという情報で、彼女がハリウッドで最も稼いだ女優の一人へ名を連ねるのは間違いないでしょう。情報筋が語ったところでは、「スカーレット(ヨハンソン)がブラック・ウィドウ単独映画で高額なギャラを受け取るのは、ディズニーが女性のスーパーヒーロー映画というジャンルで、彼女なら『ワンダーウーマン』の人気を覆い隠すことも可能だと思っているから」だそうです。脚本は執筆中で、2020年の夏頃までの劇場公開を目指しているらしく、ヨハンソン自身、脚本家のシェイファーと密になってプロットのアイデアなどを出し合っているとか。なお、マーベル・スタジオは、「ルーム(2015年)」のブリー・ラーソン主演でマーベル・シネマティック・ユニバース初の単独女性ヒーロー映画「キャプテン・マーベル」の全米公開を2019年3月8日に控えています。こちらも「ワンダーウーマン」を意識していることは間違いありません。



今年のラジー賞は?

第90回アカデミー賞のノミネーション発表直前に恒例の第38回ゴールデン・ラズベリー賞(ラジー賞)のノミネーションが発表されました。ラジー賞はアカデミー賞のパロディーで、前年度の「最低最悪な映画」を表彰する賞であり、ノミネートも授賞式もアカデミー賞の直前と決まっています。今年、最多9ノミネートを獲得したのは人気アクション・シリーズ第5弾となるマイケル・ベイ監督作「トランスフォーマー 最後の騎士王(写真)」で、最低女優賞以外の全部門の候補に挙がり、最低助演男優賞へジョシュ・デュアメルとアンソニー・ホプキンス(「アウトバーン」との2作品)の2人がノミネートされました。次いで、ジェームズ・フォーリー監督作「フィフティ・シェイズ・ダーカー」も8部門で健闘(?)しています。主なノミネートは最低作品賞が、「ベイウォッチ」、「絵文字の国のジーン」、「フィフティ・シェイズ・ダーカー」、「ザ・マミー 呪われた砂漠の王女」、「トランスフォーマー 最後の騎士王」の5作です。そして最低主演男優賞が、トム・クルーズ(「ザ・マミー 呪われた砂漠の王女」)、ジョニー・デップ(「パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊」)、ジェイミー・ドーナン(「フィフティ・シェイズ・ダーカー」)、ザック・エフロン(「ベイウォッチ」)、マーク・ウォールバーグ(「トランスフォーマー 最後の騎士王」と「パパVS新しいパパ2」)の5人。最低主演女優賞が、キャサリン・ハイグル(「アンフォーゲッタブル」)、ダコタ・ジョンソン(「フィフティ・シェイズ・ダーカー」)、ジェニファー・ローレンス(「マザー!」)、男性ながら女性として主演しているタイラー・ペリー(「ブー2! メディア・ハロウィン」)、エマ・ワトソン(「ザ・サークル」)の5人といった具合です。ラジー賞の授賞式はアカデミー授賞式前日の3月3日、ハリウッドで開催されます。



ワースト・ドレッサー

先日行われた第75回ゴールデン・グローブ賞の授賞式では、女優たちのセクハラに対する「タイムズ・アップ」の呼びかけで、ほとんどのセレブが黒い衣装でレッドカーペットを歩く異例の事態となりました。賛否はあったものの、良くも悪くも目立ちすぎてワースト・ドレッサーになってしまったのは、ケンダル・ジェンナー(写真)の裾の長さが長短のレイヤーで太ももまで見えるジャンバティスタ・ヴァリのチュールドレスです。同賞のレッドカーペット・デビューを飾ったとあって張り切り過ぎた感はありますが、「レッドカーペットというよりはプロム向けのドレス」という場違いな感じや、細身の身体へ膨らみ過ぎのフィット感がないドレスという理由からワーストに選ばれました。彼女の他では、日頃シンプルが売りのエマ・ワトソンは珍しくロナルド・ファン・デ・ケンプのスタンドカラーに襟元と袖のフリル、プリーツとかなり賑やかなデザインのドレスを選択しています。サテン生地へシワが入っていたり、バランス感のないうるさ過ぎるデザイン、あるいはクリエイチャーズ・オブ・コンフォートのふくらはぎまでのストラップ付フラットサンダルなども、映画界の式典にあり得ないとして不評でした。その他、評判が悪かったのはハル・ベリーや、ワーストの常連であるハイディ・クルムをはじめ、デブラ・メッシング、メリル・ストリープ、ナタリー・ポートマン、サルマ・ハエック、サラ・ジェシカ・パーカー、ケリー・クラークソンのドレスなどです。いっぽう、黒一色の中で「裏切者」扱いをされる可能性が高かったにもかかわらず、黒いドレスを選ばなかった女優もいます。CG賞主催元の代表でインド出身のジャーナリストであるメヘル・タトナ会長は、「このドレスを一緒に選んだ母親をがっかりさせないため」と赤いドレスで登場しました。さあ、3月4日の第90回アカデミー授賞式がどうなるのか?



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